2006年12月18日 |
活発化するわが国の人口移動 |
要旨 |
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(1) |
2000年以降、わが国では、国内の地域間および他国との間で、人口移動が活発化。 a.まず、地方から大都市圏への移動では、東京、神奈川、愛知への集中が顕著。年齢別には、20歳代後半~60歳代の移動が加速していることが特徴。これは、企業部門が集積して就業機会に恵まれた大都市圏へ向けて、労働力の移動が起きたことが背景。 b.次に、外国人の増加では、中国人が最大の寄与。中国人は、年齢別には20歳代が6割を占め、特定の地域に偏在せず全国にわたって増加。また、「留学・就学」「研修」目的が増加していることも最近の傾向。 c.日本人の海外流出では、女性よりも男性が多く、年齢層も従来の20歳代中心から30歳代にまで広がってきたことが特徴。地域別では、アジア向けの民間企業関係者の伸びが顕著。わが国企業の海外事業展開の拡大に伴い、現地での日本人スタッフ需要が拡大していることが背景。 |
(2) |
このような人口移動の活発化は、人材配分の効率化を進めることによって、わが国全体の生産性を向上させていることを示すもの。今後、人口減少社会のもとで人的資源の制約が強まるなか、わが国が競争力を高めていくためには、こうした動きを一層促進して、国全体の生産性を引き上げていくことが重要に。 |