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2006年12月01日

日銀短観(12月調査)予測

業況判断DI:足許は総じて横這い、先行きは慎重
(1)   12月の業況判断DIは、内外景気の減速が始まるなか、業況改善テンポの鈍化を示す内容となる見込み。
  すなわち、a.国内設備投資の好調持続、b.原油価格の騰勢一服、といったプラス材料と、(1)個人消費の力強さに欠ける動き、(2)海外経済のスローダウン(*)、(3)株価の不安定な動き、といったマイナス材料が混在するもとで、業種ごとの動きにはややバラツキが生じる公算。  もっとも、大企業製造業の上昇幅、大企業非製造業の低下幅はいずれも1ポイントと、変化の程度は9月対比小さなものにとどまる見通し。全規模全産業では横這い(+6)を予想。

(*)このところの輸出の動きを仔細にみると、米国向け自動車の好調(非価格競争力の強まりを背景とした日本製小型車のシェア上昇)はなお続いているものの、米国・ユーロ圏景気の減速、中国における投資抑制の動きがみられるなか、a.米欧中向け資本財、b.アジア(除く中国)向け生産財、c.EU向け自動車の増勢に陰りがみられる。
(2)   一方、来年3月までを想定した「先行き見通し」DIについては、以下の要因から全体的に慎重な見方が示される可能性が高い。
  全規模全産業のDIは12月対比1ポイント悪化の+5を予想。

a.米国景気の先行き(スローダウンの深さ、長さ)に対する不透明感が払拭できないこと。
b.aのもとで、円高急進リスクがくすぶっていること。
c.賃金の伸び悩みが続いているほか、定率減税全廃の影響も見込まれるなか、個人消費が引き続き盛り上がりに欠ける可能性(IT分野の生産調整の可能性を高める方向に作用)。
(3)

  以上のように、12月短観は、企業マインド改善の足取りの鈍さを示す内容となる可能性が高いものの、a.各種構造調整圧力の解消、b.非IT分野の出荷・在庫バランスが良好なこと(ITバブル崩壊時や2004年の「踊り場」局面と異なる状況)など、企業部門が相当程度のショック吸収力を保持するなかで、各種マイナス材料のDIへのダメージは限定的で、企業マインドの改善基調自体はなおしっかりしているということも確認されよう。

表

2006年度設備投資計画:1991年度以来の2ケタ増が視野に
(1)   2006年度の設備投資は、素材業種や運輸業などによる大型案件のタイミングにより短期的な振れが生じやすくなっているが、基本的には、マクロでみたa.設備収益率の緩やかな改善、b.潤沢なマネーストックを背景とした好調が持続。内容としては、新事業開拓、研究開発関連をはじめとした中長期的視点からの“攻めの経営”を具現化する案件がリード。
(2)   12月短観における2006年度設備投資計画伸び率は、昨年12月の05年度計画(+9.1%)をやや上回る+10.2%と予測(土地を含みソフトウエアを除くベース)。「最終着地が12月時点と大きく変わらない」という2003年度以降の修正パターンを踏まえれば、当社予測通りの増勢が示された場合、最終的な実績伸び率も+9%台~+10%となる可能性が高い。
(3)   なお、今回の日銀短観が以上の予測通りの結果となる場合、足元における業況回復の足取りの鈍さという点で「年内利上げ」への“決定打”にはならない公算。
  もっとも、「向こう1~2年」の金融政策にとっては、a.海外景気減速などによるダメージが限定的にとどまっている(経済のショック耐性が強い)、b.設備投資の好調が続いているといった点で、目先の不透明要因がある程度解消された後に「金利正常化」への歩みを進める環境が徐々に整ってきていることを示唆する材料となろう。
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