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2006年10月31日

2006年7~9月期GDP統計予測

 
7~9月期は年率2.7%成長
(1)  7~9月期のわが国実質GDP(1次QE、11月14日公表)は前期比+0.7%(年率換算+2.7%)と、7四半期連続のプラス成長。プラス幅は4~6月期から拡大する見込み。
(2)  プラス幅拡大の主因は、純輸出(輸出-輸入)の急増。すなわち、①4~6月期にかけスローダウンしていた輸出の拡大ペースが持ち直したことに加え、②輸入が一部品目の下振れにより3四半期ぶりのマイナスに。
  こうしたなか、国内民需のプラス寄与度は緩やかに縮小。2005年度中の強めの伸びから、持続可能な拡大ペースへの収束の動きが続いている。加えて、官公需の減勢が持続。
(3)  なお、今回のQEでは、個人消費デフレーターが先般のCPI基準改定を反映させる形で2005年  1~3月期に遡って改定。これにより、2005年度の実質成長率は0.2%ポイント(うち個人消費0.4%ポイント)、本年4~6月期の実質GDP前年比も0.3ポイント(うち個人消費0.5%ポイント)上方修正される見込み。
 このため、QE公表を受け、わが国の実質成長率および潜在成長率の高さに対するこれまでの見方を幾分修正する必要性が生じてくる点に注意の要。
(4) 主要需要項目、およびGDPデフレーターの動きは以下の通り。

  イ)個人消費(実質:前期比+0.2%、年率換算+0.9%)
 4~6月期からプラス幅縮小。背景として、①夏場の天候不順の影響、②夏場の株価軟調を受けた支出意欲の慎重化、を指摘可能。
 もっとも、①通信分野(移動電話、インターネット、ケーブルテレビ)をはじめとしたサービス支出の堅調、②一部家電製品(洗濯機、薄型テレビなど)の好調が全体を下支える構図は持続。また、9月は天候・株価ともに回復感がみられ、百貨店売上高などに持ち直しの動き。個人消費の拡大基調自体は続いていると判断。

ロ)住宅投資(実質:前期比+1.6%、年率換算+6.6%)
 4~6月期における分譲マンション建設の下振れの反動が顕在化。

ハ)設備投資(実質:前期比+0.5%、年率換算+2.1%)
 プラス幅が4~6月期から大きく縮小。しかし、今回の増勢鈍化は、大型案件の集中などから1~3月期以降続いていた「過熱気味」の伸び(年率+13.7%・+15.4%)が、マイルドなペースに収束するための短期的な“スピード調整”の意味合いが強い。
 前年同期比でみれば+7.7%と、①デジタル家電・自動車の世界需要に対応した製造業・運輸業の積極投資、②製品・サービスの高付加価値化に向けた開発・育成投資を中心に、依然として2005年度平均(+7.5%)並みの強めの増勢を維持。

ニ)純輸出(実質前期比寄与度:+0.5%ポイント、年率寄与度+2.1%)
 輸出は、4~6月期にかけスローダウンしていた拡大ペースが回復(前期比+2.8%、年率換算+11.6%)。米国景気減速などを背景としたアジア向け生産財輸出のもたつきを、資源国向けの増勢加速がカバー。米国向けについても、資本財・生産財に頭打ち感が生じたものの、自動車の好調が続き、全体の伸びはむしろ4~6月期を上回る形に。
一方、輸入は、振れの大きい食料品・素原材料を中心に3四半期ぶりの減少(前期比▲1.0%、年率換算▲4.0%)。

ホ)GDPデフレーター(前年同期比▲0.7%)
 CPI基準改定の影響により、今回のQEから2005年以降のマイナス幅が、個人消費デフレーターを中心に0.2~0.3%ポイント程度下方修正される見込みながら、05年10~12月期をボトムにマイナス幅が縮小し続けている姿に変わりはない。7~9月期は4~6月期対比0.4%ポイントの縮小。内訳をみると、輸入デフレーターの2ケタ上昇(前年比+11.6%、GDPデフレーターを下押し)が続いたものの、国内需要デフレーターが04年10~12月期以来のプラス圏に(同+0.2%)。
(5)  7~9月期の成長ペースは4~6月期からやや持ち直す形となった見込みながら、2006年度下期  については、①米国景気減速の影響本格化、②緩慢な賃金回復ペースを背景に、内外需とも拡大ペ  ースが減速していく展開が予想される。
 もっとも、以下の諸点から、景気回復トレンド自体が崩れる可能性は小。米国景気のソフトランディングが実現すれば、2007年度入り後成長ペースが再加速に向かう展開も期待可能。

①企業の設備投資・雇用に対する積極スタンスがなお暫く続くとみられること(7~9月期設備投資の増勢鈍化も、景気回復の持続性という観点からはポジティブな動きとみることもできる)。

②国内株価が現行水準近辺で推移(日経平均ベースで16,000円台を確保)する場合は、2006年度の個人消費に05年度並みの資産効果が期待できること。

③年明け後IT分野の在庫調整圧力が強まる可能性があるものの、素材など非IT分野の在庫・出荷バランスは改善方向にあり、製造業全体での大幅調整に発展するリスクは小さいこと。
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