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2006年06月07日

関西・地方圏の一次産業の課題

要旨
(1) 関西では、京阪神大都市圏がわが国の三大都市圏のひとつとして成長してきたが、京都府北部や兵庫県中・北部、和歌山県等は地方としての性格が強い。これらの関西・地方圏は既に、人口の減少傾向が長期に続いている。人口減少を前提とした地域の自立のためには、産業振興が重要となってくる。
(2) 関西・地方圏の産業構造をみると、一次産業の割合が高いことが大きな特徴である。一次産業は、全体としては衰退傾向ではあるが、ブランド化や流通改革、新たな工夫を加えた新産品開発等の高付加価値化を図ることによって、地域の就業を創出しうる産業に育成していくことができる。こうした取り組みを支援して、一次産業の特色を生かした産業の形成が必要である。
(3) 関西・地方圏は①京阪神大都市圏の大きなマーケットに近接し、消費者ニーズを把握しやすい、②関西には若者が多く、これから定年を迎えるシニア層も多いため、これらの人々の力を活用することが可能である、③食品や化学、機械等の製造業、大学や研究機関が多く立地しており、産学連携に取り組みやすい、④関西には、これまでも京野菜や但馬牛など、全国に有名な地域ブランドが多くあり、ブランド化を通じた一次産業の活性化の可能性が高い、という強みがある。
(4) 一次産業は、多様な担い手の参入・連携を図り、ブランド化や消費者の安全への志向等に対応してマーケティング戦略を重視し、製造業等の人材や技術、ノウハウを一次産業と融合させ、新しいビジネスモデルの成功事例を創りあげていくことを考えていかなければならない。また、現在の担い手の高齢化や後継者難に対して、事業の存続を図って行かなければならない。このため、生産者と大学・研究所、製造業・流通業、NPO等の新しいパートナーシップが必要となっており、各地でこれらとの連携の動きが始まっている。
(5) 各地の事例研究から、一次産業振興のためのパートナーシップ形成には、①一次産業は、製造業と十分連携が取れていない、②製造業の技術を一次産業に利用するために、技術開発すべきことは多い、③NPO等によるコミュニティ・ビジネスの事業性の確立はこれからである、という課題が示される。
(6) 事例から得られた課題について、①製造業と一次産業の接点の提供(公的研究機関による一次産業と他産業の間のコーディネート)、②大学や研究機関との連携の促進(一次産業関連だけでなく、工業関連の研究機関とも連携を図る)、③コミュニティ・ビジネスの促進(NPO創出のための側面支援、行政から民間への事業の移転)、を提言する。
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