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2006年05月11日

日銀「展望レポート」の評価と当面の金融政策見通し ~夏場の「ゼロ金利解除」後、2007年度末で1%に~

 
レポートの要旨
(1) 日銀は、4月28日公表の「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」において、本年度の景 気・物価見通しを前回(2005年10月)対比上方修正。今回から予測対象となった2007年度は、景気が「成熟段階に入っていく」ことで潜在成長率近傍に向けて徐々に減速、消費者物価(除く生鮮食品)は+0.8%に向けてジリ高推移を辿る、と予想した。
一方、見通しの詳細に関する記述部分をみると、景気・物価の上振れリスクへの警戒感をにじませた内容となっており、金利引き上げに向けて一段歩を進めた格好。
(2) 具体的には、金融政策運営にあたって重視すべきリスクについて触れた箇所で、「金融政策面からの刺激効果は一段と強まる可能性」や、 「企業の投資行動がより積極化する 場合には、・・・資本ストックの過剰な積み上がりの反動が生じ・・・」など、総じて景気・物価の上振れリスクに警戒感を匂わせている。 こうした日銀のスタンスから見て、「利上げ開始は時間の問題」になったと言え、その後の追加利上げも既定路線になった、とみる 必要がある。
当社では、「7~9月期にゼロ金利解除」、さらに「年度内に追加利上げ+0.25%」が有力とみる。
(3) 今回の展望レポートの経済・物価見通しの内容を評価すると、景気のコースについては大きな違和感は無い一方、物価上昇テンポがやや速い印象。需給バランス改善がインフレ率上昇に結びつきにくい状況下、日銀見通しと同程度の景気回復ペースを前提とした場合のCPIの騰勢は、原油はじめ資源価格の上昇ペースが大幅に強まらない限りはせいぜい0.5%近辺とみられる。
(4)  中期的な金融政策の経路をイメージするにあたり、今回の展望レポートで示された日銀 の年度経済見通し数値を基に、一定の前提をおいたうえでテイラールールによる適正政 策金利水準の算出を試みた。その結果によると、足元の「理論金利」は0.5%弱の水準 にあり、ゼロ金利解除後も理論値の上昇は続く格好。これに追いつくため、「現実金利」 を機械的に引き上げていくと、2007年度末の「現実金利」は1.75%に。
しかしながら、「インフレ率のアップテンポな加速」の実現可能性は小さいとみられる。加 えて、利上げ開始以降は、財政健全化に向けた歳出削減とのポリシーミックスのうえで、 政府との協調性に配慮する局面も想定される。こうした点を踏まえると、2006、07年度内 の政策金利引き上げはいずれも0.25%×2回(2年間で4回)、2007年度末の「現実金利」は1.00%に。
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