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介護予防サービスの利用実態に関する調査事業

2017年04月10日 齊木大


*本事業は、平成28年度厚生労働省老人保健事業推進費等補助金(老人保健健康増進等事業)として実施したものです。

事業の目的
 本事業は、地域包括支援センター(指定介護予防支援事業所)におけるケアマネジメントに関し、要支援者に対する適切なサービスを確保する観点から、その実態を明らかにすることを目的とした。

事業概要
 上記目的の達成に向け、前年度は全国の地域包括支援センターを対象に、介護予防サービスの種類ごとに個々の利用者に着目し、利用しているサービス内容、その個人の状態(心身の状態、家族状況等)、ケアプランにおける目標設定等について典型的な事例をサンプル収集し、全体的な調査のための手法およびその分析方法の検討を実施した。今年度は、介護予防特定施設入居者生活介護、介護予防認知症対応型共同生活介護、介護予防小規模多機能型居宅介護を行う事業所を対象とした事前調査を行った後、これら事前調査の回答状況・結果分析を踏まえ、調査票の再設計を行い、アンケート調査を行った。
 アンケートは、無作為で抽出した全国の地域包括支援センター4,557事業所、介護予防特定施設入居者生活介護1,500事業所、介護予防認知症対応型共同生活介護757事業所、介護予防小規模多機能型居宅介護1,500事業所に配布し、平成28年11月時点で介護予防支援(介護予防ケアマネジメント)利用者が1ケース以上いる担当者に回答を依頼した。地域包括支援センターを対象としたアンケートにおいては、事業所内の利用者の無作為抽出による最大10名の回答に加え、前回調査で十分な回答数を得られなかった介護予防短期入所療養介護、介護予防認知症対応型通所介護の利用がある場合、優先的に1ケースずつ抽出するよう依頼した。
 得られた回答を分析・評価し、サービス別に、そのサービスを利用する利用者の状態(心身の状態、家族状況等)を明らかにした。

調査研究の過程
1.アンケート調査票の作成
 介護予防サービスの種類ごとに、利用者の状態像(心身の状態、家族状況等)の調査仮説を検討した。調査仮説、介護予防事業の先行調査および前年度に実施した事前調査における調査内容を踏まえ、アンケート調査票の作成を行った。検討にあたっては有識者・実務経験者から成る調査研究委員会を組織することを計画していたが、迅速かつ機動的に対応するため、厚生労働省と協議の結果「アドバイザリー委員」として位置づけ、調査票の検討について個別にヒアリング調査のために訪問し、調査へのアドバイスを求めた。

【アドバイザリー委員 往訪先(五十音)(9月~11月)】
  川越 雅弘
    国立社会保障・人口問題研究所 会保障基礎理論研究部 部長
  福井 小紀子
    日本赤十字看護大学大学院 看護学研究科 教授
  藤井 賢一郎
    上智大学 総合人間科学部 社会福祉学科 准教授

2.アンケート調査の実施
  調査名称  「介護予防サービス実態概況調査」
  調査期間  平成29年 1月4日(水)~平成29年1月31日(火)
  調査方法  質問紙調査(全国の地域包括支援センター、介護予防特定施設入居者生活介護、介護予防認知症
        対応型共同生活介護、介護予防小規模多機能型居宅介護を行う事業所の中から無作為抽出した事
        業所に郵送送付、郵送回答)
  対象    介護予防支援(介護予防ケアマネジメント)において、平成28年11月時点で担当する利用者が1
        名以上いる担当者
  配布数   1. 地域包括支援センター:4,557事業所
        介護予防ケアプラン調査票
         ①事業所内無作為抽出:45,570件
         ②介護予防認知症対応型通所介護優先抽出:4,557件
         ③介護予防短期入所療養介護優先抽出:4,557件
        2. 介護予防特定施設入居者生活介護事業所:1,500事業所
        介護予防ケアプラン調査票
         ①事業所内無作為抽出:1,500件
        3. 介護予防認知症対応型共同生活介護事業所:727事業所
        介護予防ケアプラン調査票
         ①事業所内無作為抽出:727件
        4. 介護予防小規模多機能型居宅介護:1,500事業所
        介護予防ケアプラン調査票
         ①事業所内無作為抽出:1,500件
  回収数   1. 地域包括支援センター 13,448票(回収率:約24.5%)
        2. 介護予防特定施設入居者生活介護 363票(回収率:約24.2%)
        3. 介護予防認知症対応型共同生活介護 50票(回収率:約6.8%)
        4. 介護予防小規模多機能型居宅介護 371票(回収率:約24.7%)

3.アンケート結果の分析・評価
 得られた回答を分析・評価し、サービス別に、そのサービスを利用する利用者の状態(心身の状態、家族状況等)を明らかにした。

調査結果
1.利用者の状態について
 事前調査における回答状況を踏まえ、主に要介護度の変遷、主たる介護者の生活・健康上の課題の有無、原因疾患等について改良を加えた。
 要介護度の変遷について、現在、前回、前々回の状態の調査、直近2年間の認定見直し頻度の調査をした。直近2年間の認定見直し頻度については、在宅系サービス、介護予防小規模多機能型居宅介護では「なし(現在分が初回)」、介護予防特定施設入居者生活介護では「1回」、介護予防認知症対応型共同生活介護では「2回以上」が最も多いという結果になった。
 主たる介護者の特定、主たる介護者の生活・健康上等の課題の有無については、「生活・健康上の課題なし」、「仕事との両立」の割合が多いが、介護予防認知症対応型共同生活介護では「要支援・要介護認定を受けている」の割合が最も多いという結果になった。
原因疾患等の把握については、事前調査では対象としていなかった「高血圧症」を追加したところ、複数のサービスにおいて、多くを占めることが明らかになった。

2.サービス利用内容について
 利用サービスについて、ケアプラン作成時点の心身の状態別、同居者の有無別、主たる介護者の生活・健康上の課題の有無別等で違いを把握した。これにより、「介護予防訪問看護の利用者の多くは、「廃用症候群の可能性」の状態にあり、「リハビリテーション」を利用している」、「介護予防訪問リハビリテーションにおける「抑うつ」目的の利用は11.7%で介護予防通所リハビリテーションより
5ポイント程度高いが、同居者の有無別の違いは見られない」といった詳細な分析を可能にした。本事業の結果は、要支援者の自立支援の視点から提供すべきサービスを見直していくための基礎的知見となることが期待できる。

※詳細につきましては、下記の報告書本文をご参照ください。
介護予防サービスの利用実態に関する調査事業 報告書(PDF:2041KB)


本件に関するお問い合わせ
創発戦略センター シニアマネジャー 齊木 大
TEL: 03-6833-5204   E-mail: saiki.dai@jri.co.jp
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