2006年02月01日 |
2005年10~12月期GDP統計予測 |
10~12月期は年率+4.3%成長、05年度成長率3%台乗せが視野に。 |
|
(1) |
10~12月期のわが国実質GDP(1次速報値、2月17日公表)は、前期比+1.1%(年率換算+4.3%)と、成長ペースが7~9月期対比強まった見込み(*)。前年同期比は、2004年10~12月期値が下振れたこと(**)の反動もあり、+3.7%まで高まった可能性が高い。 (*)2005年7~9月期値は、QE公表ごとに行われる季節調整のかけ直しにより、前期比+0.4%(年率 +1.5%)へ上方修正されると想定(1月末時点の内閣府公表値:前期比+0.2%、年率換算+1.0%)。 (**)2004年10~12月期の実質GDP・前年比は+0.4%。暖冬・自然災害に伴う個人消費の下振れが生じたことから、同年7~9月期の+2.4%、翌年1~3月期の+1.4%に比べ低めの伸びとなっている。 |
(2) | 10~12月期の高成長の背景としては、各種構造調整圧力が後退するもとで、「輸出の好調・設備投資の拡大→企業収益の堅調→雇用者報酬の持ち直し・株価の上昇基調持続→家計需要の拡大→企業収益を一層押し上げ」といった好循環が、原油高のマイナス影響を吸収する形で作動している、という点が大きい。 加えて、10~12月期は、このところ短期的な振れが大きくなっている輸入の伸びがほぼ横ばいにとどまり、成長率の押し上げに作用。 |
(3) | 主要需要項目、およびGDPデフレーターの動きは以下の通り。イ)個人消費(実質:前期比+0.6%、年率換算+2.3%) ロ)住宅投資(実質:前期比+2.9%、年率換算+12.1%) ハ)設備投資(実質:前期比+2.4%、年率換算+9.8%) ニ)公共投資(実質:前期比▲3.2%、年率換算▲12.2%) ホ)純輸出(実質前期比寄与度:+0.4%ポイント、年率寄与度:+1.8%ポイント) ヘ)GDPデフレーター(前年同期比▲1.6%) |
(4) | 景気の先行きを展望すると、10~12月期並みの高成長を続けることは難しいほか、海外景気(とりわけ米国)の動向に注意する必要があるものの、基本的には当面、(2)で示したような景気循環メカニズムが働き、回復傾向を持続する公算。株式市場がこのまま「ライブドア・ショック」を吸収していけば、株価上昇のプラス影響が定率減税縮小などの国民負担増に伴うマイナス影響を相殺する展開も期待可能。 ちなみに、今回の10~12月期予測結果のもとで、1~3月期を前期比横ばいと仮置きした場合、2005年度の実質成長率は+3.1%に。 |