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Sohatsu Eyes

イコール ゼロ

2004年09月28日 武藤一浩


誰でも、取り組んでいる目の前の仕事が壁にぶつかり「出口はない」と思うときがあると思います。私たちの創発戦略センターでは、新しいものを生み出すインキュベーションがミッションですので、特にそのような壁に頻繁にぶつかります。そんなとき、私は大学浪人時代の予備校のある数学講師の言葉を思い出します。

彼は最初の授業の際、受験に落ちてショックの残る我々にいきなり次のように言い放ちました。「今のお前らは【大学受験合格の確率=0】だ。だが、ここで一年間頑張ることができれば【大学受験合格の確率≧0】になれる。ここで注目するのが【=0】が消えないことだ。どんなに頑張っても【=0】が消えることはない。それがわかった上で頑張ることができるか良く考えて青春の大事な一年間を有意義に使ってほしい。駄目と思うなら来週からここには来ないで今やりたいことをやりたまえ。」

この数学講師の言葉は当時の自分に響きました。【=0】となることを恐れてチャレンジできなくなることこそが、もっとも恐ろしいことであると教えてくれたのです。それ以来、弱気になったり、自分の取り組んでいることに疑いを持つようなとき、この言葉を思い出して気を引き締め直します。

しかし、最近思うのです。毎々気合を入れなおしているような自分がとても余裕のある人間だと。。。。【=0】を考える間も惜しんでチャレンジし続けている人々がいること、本当に自分を追い詰めそれを乗り越えている人がいること、インキュベーションの仕事を一緒にさせていただくお客さんや同僚の中に、決まってそのような方々がいらっしゃいます。 精進が足りない自分ですが、そんな世界に住む人達から良い刺激を受けながら、自分も早くその高みの世界に近づかなくてはと気ばかりが逸る毎日です。

※eyesは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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