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ARES ESG AWARD 2023の創設と審査結果

2024年02月22日 大森充


 一般社団法人不動産証券化協会(以下、ARES)では、昨今のESGへの関心の高まりを踏まえ、JリートのESGに関する取り組みを支援するための顕彰制度ARES ESG アワード(以下、本アワード)を2023年に創設しました。
 本アワードは、既存の外部格付・認証制度のように各銘柄のランク付けをするものではなく、JリートのサステナビリティやESGを推進するユニークな取り組みを表彰し、広く業界内外に共有することで、JリートのESGに関する取り組みが進化すること、ひいては投資家や市場に対する業界のESG取り組みのアピールにつなげることを狙いとするものです。
 日本総研は本アワードの制度設計および運用支援を行いました。本アワード創設の趣旨を踏まえ、多くのESGに関する表彰制度と異なり、エントリーされたそれぞれの取り組みについて、「ユニーク性(取り組みの独自性が高く、創意工夫が見られるか)」や「普遍性(他のJリートが参考にしやすい取り組みとなっているか)」などの項目で審査するといった特徴のある表彰制度としました。
 具体的には、自薦によるグッドアクション賞と他薦によるベストレコメンド賞を設け、それぞれ環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)に分け、計6つの賞を設定しました。「この取り組みは他の銘柄にも参考にしてほしい」という自薦のみならず、「他の銘柄のこの取り組みは素晴らしい、参考にしている」という他薦を設けることで、業界内で広く共有すべき取り組みを抽出できるように設計しました。また、審査項目は「ユニーク性」「普遍性」「継続性」「実効性」の4つを設け、外部の有識者による審査とすることで、客観性を担保した制度としました。

 初回となった「ARES ESG AWARD 2023」では多くの応募をいただき、Jリート業界の一体感と、サステナビリティへの意識の高さを改めて感じることができました。今回受賞された取り組みは、創意工夫に富んだものが選出されていますので、他のJリートの皆様もぜひ今後の取り組みに生かしていただけると幸いです。
 また、併せて実施したESG取り組みの調査では、多くのJリートが高いレベルでの取り組みを実施しており、特に環境分野では、GHG排出量把握率や、GHG削減目標の設定率がJリート内で90%を超えるなど、積極的な取り組みが見られました。今後も環境分野を中心にESGに関する取り組みについての社会からの要請はより一層高まると考えられるため、新しいトピックや取り組みの難しい課題について、今後もJリート業界内で協力し取り組むことを期待しています。




(参考)ARES ESG AWARDサイト
https://www.ares.or.jp/esg_award/

以上

※記事は執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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