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ポッドキャストで広がる地球温暖化対応の世界

2009年07月13日 


 アップル社の携帯電話の最新機種が最近発売になり、話題を呼んでいるようだ。この手の話題はどうしてもハードが中心になりがちだが、ではハードを使って何が出来るのかということも、機械に「使われる」のではなく、「使う」ためには大事な話である。その一つとして、地球温暖化に関するグローバルな現状、政策や研究についての最新情報をポッドキャストで手軽に入手しよう、というのが本コラムの趣旨である。

 あまりご存じでない向きのために簡単に補足しておくと、ポッドキャストとは、定期的に提供される5~30分程度の音声ニュースまたはドキュメンタリー(ビデオの場合、ビデオキャストとも言われる)で、パソコンで簡単に検索・ダウンロードが可能なうえに、基本的に無料である。実は普通のパソコンだけでも楽しめるので、デジタルレコーダー等をお持ちでない方も、ぜひ一度お試し頂ければと考える。

 以下、環境保護や温暖化対応に関するポッドキャストの例として、本日時点できちんと更新が行われているものをいくつかご紹介しておく。
 まず海外で代表的なものとして、世界的なNGOのナショナル・ジオグラフィック・ソサイエティでは、動物の生態や自然環境に関する数多くのプログラムを提供している。また、自然科学を得意分野とするテレビ局ディスカバリー・チャンネルのコンテンツも、多彩でかつレベルが高い。そのうち、「Planet green podcast」 では、温暖化防止への海外の草の根の取り組みについて知ることが出来る。
 民間企業では、国連環境計画(UNEP)とも連携する英国のgreen TVが、”green.tv-technology ”という最新ニュースの配信を行っており、先日のラクイラサミットにおける温暖化ガスの削減合意について、やや辛口のコメントと共に早速配信したり、欧州の環境首都コンテストや英国の自転車通勤促進政策も紹介している。
 また、世界の主要大学の講義をそのまま伝える「iTunes U」では、環境科学や政策科学の分野で関連する高度な研究発表や講義に触れることが出来る。筆者もいくつか試したところ、なかなか手強い内容のものが多いが、一度じっくりと検索してみる価値がありそうだ。

 以上は海外からの英語配信であるが、海外勢にやや押され気味ながらも、国内にも頑張っている例が見られる。特に、東京大学が数多く提供している公開講義集の中に、地球環境問題を学際的・客観的な視点で捉えた「エネルギーと地球環境」というものがあり、このような国内大学によるポッドキャストを活用した取り組みが進むことに期待したい。また、38のFM局が連携するJapan FM Networkでは、地域発の環境保護の取り組みを順次紹介している。

 ポッドキャストの世界は日々広がっているので、みなさんもいろいろと他の例をお探し頂ければ有難い。情報共有を通じて地球温暖化への取り組みがさらに深まれば、ハード製造に投じた貴重な資源を地球にお返しすることにもつながるのだから。
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