2021年09月27日
各位
株式会社日本総合研究所
「エコシステムデザイン支援プログラム」無償提供先の採択結果について
~人とロボット・モビリティの共存を可能にする「非接触給電技術」の社会実装支援を開始~
株式会社日本総合研究所(本社: 東京都品川区、代表取締役社長: 谷崎勝教、以下「日本総研」)は、ニューノーマル社会に対応する新たなエコシステムの構築への取り組みに対し日本総研が無償で支援する「エコシステムデザイン支援プログラム」(以下「本プログラム」)の提供先となるプロジェクトについて、2020年10月6日から12月28日にかけて募集を行いました。
応募のありましたプロジェクトについて、アイデアやコンセプトを厳正に審査した結果、下記のプロジェクトを採択し支援を開始しましたので、ここにお知らせします。
■採択プロジェクト
【提案者】
株式会社アイシン、株式会社パワーウェーブ(国立大学法人豊橋技術科学大学発ベンチャー) (共同提案)
【プロジェクト名称】
人と共存可能な電界結合式2次元平面自由軌道の非接触給電技術を機軸としたエコシステム社会実装支援(以下「本プロジェクト」)
【技術について】
コロナ後のニューノーマル社会では、人を介さず自動で走行し配達・宅配するロボットをはじめとした、各種サービスを行うロボット・モビリティの導入が進むことが想定されます。そのことは、歩道はもちろん、施設の内外を問わず、人とロボット・モビリティが同じ場所で行き交う社会が来ることを意味します。その際に課題となるのは、「稼働中のロボット・モビリティの自律的充電」と「安全性に基づいたロボット・モビリティと人の共存」です。
本プロジェクトで社会実装支援を行う「電界結合式2次元平面自由軌道の非接触給電技術」(以下「本技術」)は、ロボット・モビリティのバッテリー等に接続した受電ユニット(受電電極と整流回路)と、ロボット・モビリティが稼働する地平上に設置した送電ユニット(送電電極と高周波電源)をワイヤレスで接続させ、非接触の状態で給電するものです。送電ユニットの電源には施設のコンセントといった商用電源なども活用できるため、設置の自由度が高いことも特徴です。ロボット・モビリティには走行中に非接触で給電できるため、ドックに戻って長時間の充電をさせる必要はなくなり、休みなく稼働させ続けることが期待できます。
また、本技術では、非接触での給電技術で課題とされている、人や金属が近づいた時の発熱を小さく抑えられます。また、強い磁場も発生しないため健康に影響を及ぼすリスクの大幅な低減が期待されます。
このように、本技術は、ロボット・モビリティを動かす電池で従来課題とされてきた「稼働中のロボット・モビリティの自律的充電」と「安全性に基づいたロボット・モビリティと人の共存」に大きく寄与できると考えられます。
【本プロジェクトの概要】
本プロジェクトでは、本技術をビジネスモデル仮説に落とし込む構想策定について、「JRI Tech Design」ソリューション(注1)による支援を行います。本技術を活用したロボット・モビリティやインフラの製造・設置から運用までビジネス面でのエコシステムづくりとロボット・モビリティと人の共存について、「ヒューマンセンタードデザイン」の視点からの検討を行う予定です。
■今後の情報公開
本プロジェクトにおける、アイデアの具体化に始まるエコシステム実装までの検討プロセスについて、日本総研のホームページ上で以下のように公開していきます。
第1回目は、2021年下期に公開し、以降、順次公開を進めていく予定です。
1回目: アプリケーション候補の提示
技術や社会構造・ユーザー像等を踏まえ検討したアプリケーション候補や、検討プロセス等を提示
2回目: アプリケーションの優先順位付け
検討した候補に対し、評価・優先順位付けをし、有望先を選定する検討プロセス等を提示
3回目: 社会実装の具体的イメージの提示
選定した候補の社会実装の具体的イメージを提示
※公開の内容・時期等については、状況に応じて変更する可能性があります。
【本プロジェクト検討プロセス中継ページ】
https://www.jri.co.jp/service/special/content27/corner132/
注1: これまで互いに独立し連携できていなかった、マクロ/戦略的視点であるビジネスモデル(B)とミクロ/実装的視点であるテクノロジー(T)、そしてデザイン(D)の3つを融合させることで、持続性、実効性、革新性の高い新規事業を構築する、日本総研が開発したソリューションです。
■本件に関するお問い合わせ先
【報道関係者様】広報部 山口 電話:080-7154-5017
【一般のお客様】リサーチ・コンサルティング部門 岡田 電話:080-2481-6995