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国際戦略研究所 研究員レポート

【米国情勢報告】バイデン大統領のアメリカ 多様化と分断のジレンマ―ハリス副大統領就任が示唆する次世代の米国社会

2021年02月05日 市瀬由香里


■はじめに
ジョー・バイデン大統領(78)は、1月20日の就任日から僅か8日間のあいだで、少なくとも42もの大統領令や覚書に署名している。殆どは①新型コロナ、②経済対策、③気候変動、④人種問題など、政権発足以前より掲げてきた4大重要政策課題が軸とされている。

新政権のスローガンには、バイデン氏が選挙中から繰り返し叫び続けてきた「結束(unity)」を掲げ、また閣僚人事には“Looks like America”との宣言通り、カマラ・ハリス副大統領を始め黒人のロイド・オースティン国防長官など人種、ジェンダーともに多様な(重要閣僚の半数以上は非白人、女性)「史上初」揃いの閣僚人事を登用した。白人の“エスタブリッシュメント”政治家であるバイデン氏のこうした先進的人事は斬新であり、また多くの米国人にとって「多民族民主主義国家が実現する」可能性の高まりを示唆した。

しかし、未曾有の国難と分断の間に揺れる米国をいかに「結束」出来るか。多様なスペクトラムの違いを包摂することが出来る統治とは一体どのような姿か。そうした議論は、いま党派に関わらず様々な場所で交わされている。

今回筆者は、今後のバイデン新政権でカギを握る人物は、黒人女性初の米国副大統領に就任したカマラ・ハリス氏であると考えた。本稿では人種マイノリティや女性の進出について米国社会の現状とともに、バイデン氏はハリス氏に何を期待し、またハリス氏にはどのような可能性と挑戦が待ち構えているのか分析したい。

バイデン大統領のアメリカ 多様化と分断のジレンマ―ハリス副大統領就任が示唆する次世代の米国社会
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