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リサーチ・アイ No.2020-004

コロナ・ショック下の中国の経済対策~リーマン・ショック時のような世界経済の牽引役は期待薄~

2020年04月08日 関辰一


中国政府は、新型コロナウイルスの封じ込めに向け、経済活動を全国規模で抑制したと同時に、経済対策を相次ぎ発表。

今回の経済対策は、中小企業の倒産や雇用の悪化を回避するためのセーフティネットとなるものが中心。具体的には、企業向け社会保障費の減免や減税、国有銀行による中小企業向け融資の拡大、企業の利払い延期、雇用調整助成金の支給など(図表1)。これらによって、資金繰り難に直面する中小企業を支援(図表2)。

商品券の配布、5G関連投資の拡大、自動車の購入規制緩和なども散見されるものの、需要刺激策は総じて限定的。今後外需が大きく下振れかねない現状でも、中国政府はリーマン・ショック時のような銀行融資や公共投資の急拡大に対して慎重姿勢(図表3)。

この背景として、①コロナ封じ込め策の一部撤廃によって内需が回復し始めていること(図表4)、②過剰債務問題・不良債権問題の深刻化を防ぎたいこと、③生産年齢人口の減少やサービス化により雇用喪失リスクが低下していること、などが指摘可能。

今後も抑制的な経済対策スタンスを続けると予想されるため、リーマン・ショック時のように世界経済の回復に大きく貢献することは期待薄。


コロナ・ショック下の中国の経済対策~リーマン・ショック時のような世界経済の牽引役は期待薄~(PDF:306KB)
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