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リサーチ・アイ No.2019-054

足許の指標に見る新型肺炎の中国経済への影響~個人消費、住宅投資、発電量が下振れ~

2020年02月19日 関辰一


中国では、新型コロナウイルスによる肺炎の感染者数が増加(図表1)。感染拡大の回避に向け、消費者は外出を抑制しているほか、中国政府も春節休暇を延長。北京や上海など主要都市の地方政府は、2月9日まで企業の事業再開を禁止したほか、交通も規制。

これらの結果、経済活動は大きく下振れる見通し。現状、以下3分野の落ち込みが顕著。
①個人消費。交通運輸部によると、春節前後の27日間(1月10日から2月5日)の旅客輸送量は前年同期比35%減少。その後は、帰省ラッシュが一段落する2月18日までに、旅客輸送量は前年同期比70%減る見込み。
②住宅投資。2月1日から17日までの主要30都市の分譲住宅取引床面積は前年同期から85%減少。
③発電量。2月1日から18日までの6大電力会社の1日当たりの石炭使用量は同10%減少。鉱工業生産の下振れが背景。

足許では、大半の地方政府が企業の事業再開を指示し、交通規制も緩和の方向。中国政府も金融緩和などの経済対策を矢継ぎ早に発表。以上を踏まえ、1~3月期の成長率見通しを従来の前年比6.1%から5.0%に引き下げ。新型肺炎が3月に終息すれば、政策効果の顕在化により、遠からず6%ペースの成長に戻る見通し。結果、2020年の成長率は5.8%に。

足許の指標に見る新型肺炎の中国経済への影響~個人消費、住宅投資、発電量が下振れ~(PDF:297KB)
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