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大企業の管理職がベンチャーに学ぶもの

2016年07月26日 井熊均


 創発戦略センターはDOタンクを標ぼうし、ベンチャーを含む新しい事業の立ち上げを手掛けてきました。そうした活動理念もあってか、毎年のようにベンチャーやNPOに身を転じる人がいます。人生のある時期を共にし、新たな場所で奮闘している人とコミュニケーションを続けていくことは大事だと思っているので、毎年10回くらい、こうした人達と意見を交わす機会があります。そこで感じるのは、創発戦略センターのように自由度の高い組織から見ても、彼らが元気でエネルギッシュに活動している、ということです。

 日本にはもっとベンチャーが必要で、大企業もベンチャースピリットを取り込まなくてはいけない、という指摘はバブル経済崩壊以降、幾度となくされてきました。日本のベンチャースピリットの低さを若者の気質に帰する人もいましたが、ベンチャーに身を転じた人を見ると、問題の根源が彼らにあるようには思えません。原因は我々管理職にあるのかもしれません。

 年齢的にも若者からの距離的にも、大企業の管理職に相当する立場にあるのがベンチャーの経営者です。彼らは、明確な目標をかかげ、自らをモチベートし、積極的に判断し、若者に想いを語り、共に現場に出かけ、社外でも積極的に時間を共にしようとしています。ベンチャーの事業内容以上に、そうした姿勢が若者にエネルギーを与えているように思うのです。大企業の管理職にベンチャーにはない制約があるのは確かですが、その中でも、何ができるかを問い続けるべきなのでしょう。

 日本には若く優秀な人材がたくさんいます。次の時代に向けて、彼らが元気でエネルギッシュに活躍するために、年齢や立場の壁を越えて気持ちと体を動かしていきたいと思います。


※メッセージは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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