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2005年12月12日

2005~06年度改訂見通し(7~9月期2次QE公表後)

加速感は強まりにくいものの、引き続き底堅い展開に
 今回の成長率予測改訂では、(イ)2004年度国民経済計算確報(12月2日公表)、(ロ)7~9月期2次QE(12月9日公表)、の内容を反映。それぞれのポイントは以下の通り。
イ) 2004年度確報で「2000年基準」への改定などが行われた結果、2000~04年度の実質成長率は、個人消費を中心に平均0.2%ポイント上方修正(付表ご参照)。
ロ)  ①2004年度確報系列をもとに再推計されたほか、②法人企業統計季報などの内容が新たに反映された7~9月期実質GDP(2次QE)は、前期比+0.2%(年率+1.0%)と、7~9月期の前期比だけをみれば1次QEの+0.4%(年率+1.7%)から下方修正。
 もっとも、今回の下方修正は、そもそも1次QEの段階で強めの伸びが出ていた4~6月期の成長率が2次QEでさらに上方修正され、7~9月期に生じた前期比の「ウラ」が一層大きくなったことによる側面が大きい(*)。
 ①「2005年度上期」の実質成長率は年率+4.0%と、1次QE段階の同+3.6%からむしろ上方修正されていること、②7~9月期の実質・前年比は+2.9%と、1次QEの+3.0%と同程度であることなどから、今回の2次QEを受けて、「『踊り場』局面を脱し、回復傾向を強めてきている」との当社の景気判断を修正する必要はない、と考える。
(*) 4~6月期の実質成長率は前期比+1.2%(年率+5.0%)と、1次QE段階の前期比+0.3%(年率+3.3%)から上方修正。とりわけ、在庫投資の成長寄与度(前期比ベース)が▲0.1%ポイントから+0.3%ポイントへと一転してプラスに。基準改定と季節調整のかけ直しにより、直近の変動パターンが大きく変化していることに留意する必要。
 したがって、景気の先行きに関する見方についても、基本的に変更なし。
 今回の成長率予測は、1次QE後の前回予測(11月15日発表、2005年度:+2.7%、2006年度:+2.0%)から、2005・06年度いずれも0.1%ポイントずつ上方修正。ただし、今回の修正は、基本的に「2000年基準」への改定に伴うものと解釈されたい。

(1) 2006年度にかけてのわが国景気は、国内民需を中心とした底堅い動きが予想される。
イ) 設備投資は、①各種構造調整が終了し、企業各社が相次いで「攻め」の経営姿勢に転じていること、②原油高の状況下でも増益基調が続き、マネーストックの潤沢な状態が続いていることなどから、拡大傾向が持続。
ロ) 個人消費は、①雇用・賃金環境の改善、②株価など資産価格の持ち直しが続くもとで、幅広い層が支出を増やす形で、プラス基調を持続。
(2) ただし、以下の要因が景気回復ペースを抑制するため、加速感が強まりにくい展開に。
イ) 個人消費が大きく下振れる可能性は低いものの、定率減税の半減・全廃をはじめとする各種家計負担の増加を踏まえると、回復パターンに振れが生じることは不可避。
ロ) 企業の増益基調は維持できるとみられるものの、人件費など固定費の削減による収益押し上げ効果が逓減していくもとで、原油価格の高止まりに伴う収益圧迫影響が、海外との競争激化などにより販売価格引き上げが困難な分野を中心に、徐々に表面化していく懸念。
ハ) 新興国・資源国向けを中心に、輸出の拡大傾向は続く可能性が高いものの、米国景気が2006年後半にかけ減速していくにつれ、増勢は鈍化する見通し。加えて、新興国向け輸出と連動する形で輸入の増勢も強まることから、「純輸出」の成長寄与度は小幅に。
ニ) 設備投資の増勢も、大型案件の一巡により、2006年度は05年度からやや鈍化する見込み。
(3)  以上の結果、実質成長率は、2005年度に+2.8%と2000年度以来の強めの伸びに。2006年度は、下期にかけやや減速感が生じるものの、年度全体では+2.1%に。
(4)  なお、上記メインシナリオに対する主なリスクファクターは、①汎用素材分野における在庫調整の後ズレ・深刻化、②米国景気の失速、③原油をはじめとした資源価格の一段の上昇、の3点。
(**)  なお、予測の詳細については、「2006~15年度経済の展望:人口動態から10年後の日本経済を読む~改訂版~」(12月7日公表のレポートを今回のQEの内容を織り込む形でアップデート。近日中に当社ホームページにて公表予定)をあわせて参照されたい。

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