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2005年11月01日

2005年7~9月期GDP統計予測

 7~9月期は年率+1.3%成長
(1) 7~9月期のわが国実質GDP(1次速報値、11月11日公表)は、前期比+0.3%(年率換算+1.3%)と、個人消費を中心に年前半の強めの伸びが鈍化した見込み。
 もっとも、設備投資の大幅増や輸出の回復が続くもとで、プラス成長は確保したとみられる(プラス成長は4四半期連続)ほか、前年同期比は+2.8%に達した模様。内容としては、わが国景気が底堅さを増しているとの評価ができるものとなろう。
(2)主要需要項目の動きは以下の通り。
イ)個人消費(実質:前期比▲0.1%、年率換算▲0.3%)
 年前半にみられた大幅な増加ペースが一服し、前期比ではほぼ横ばいに。①雇用不安・所得不安が和らぐなかで顕在化していたペントアップ需要が一巡したこ と(とりわけ自動車)、②厳しい残暑や台風の影響から秋物商品の動きが鈍かったことなどが背景。目立った好調は、価格下落が続く薄型テレビ、パソコンと いった一部の分野に限られた。
 もっとも、前年同期比でみると+1.4%と、2004年度平均+1.2%を上回る伸び。

ロ)住宅投資(実質:前期比+2.0%、年率換算+8.1%)
 3期ぶりの前期比プラス。一戸建ての減少傾向が続いているものの、投資マネーの不動産市場への流入が拡大するなか、都市部を中心にマンションやアパートを建設する動きが活発化しており、全体を大きく押し上げ。

ハ)設備投資(実質:前期比+2.4%、年率換算+10.2%)
 3期連続の年率2ケタ増。製造業では、国内生産の高付加価値化・開発力強化を企図した工場建設の動きが引き続き拡大。一方、非製造業では、①電力業によ る送配電設備の更新、②通信業による光ファイバー網の整備、③運輸業による倉庫・配送センターの増設、④百貨店による都市部店舗の大規模改装、⑤金融機関 によるIT投資の拡大、など幅広い業種で投資を広げる動き。投資需要の厚みは着実に増す方向。

ニ)公共投資(実質:前期比+0.9%、年率換算+3.6%)
 減少基調が続いているものの、①北陸地方での災害復旧事業、②旧道路公団による大型案件(第二東名高速関連、ETC料金収受機設置、首都高速のトンネル 建設)、③病院・刑務所・庁舎の改修事業、などが集中的に進捗ベースに乗り、減少ペースが一時的に緩んだ模様。前期比ではプラスに。

ホ)純輸出 (実質前期比寄与度:▲0.1%ポイント、年率寄与度:▲0.4%ポイント)
 輸出は、2期連続の年率2ケタ増(前期比+2.8%、年率換算+11.6%)。全体の2割強を占める米国向けの増勢が自動車を中心に鈍化したものの、 4~6月期にかけて弱含んだ中国向けが幅広い品目にわたり急回復。商品市況の高騰で潤う資源国向けの拡大が続いていることも、輸出全体の回復に寄与。

 輸入も、2期連続の年率2ケタ増(前期比+4.4%、年率換算+18.9%)。航空機の輸入が押し上げた側面もあるが、基本的には、①国内需要の回復基調、②国際分業体制の本格稼動を背景とした増加傾向が持続。航空機以外の品目では、パソコンの輸入増が顕著。

 輸出・輸入ともに大幅な増加となるなか、相対的には輸入の伸びが上回った結果、純輸出の成長率寄与度は小幅マイナスに。
(3) このように7~9月期の成長率は幾分鈍化したとみられるものの、以下の諸点を踏まえれば、わが国景気は引き続き底堅さを増していく方向にあると考えられる。
 イ) 各種構造調整圧力が後退するなか、設備投資の拡大傾向が続くほか、雇用者数の増加傾向が定着していく見通し。
 ロ) 今冬の賞与が強めの伸びとなる公算(日本経団連による大手企業の中間集計結果は前年比+5.08%)のもとで、個人消費は10~12月期に息を吹き返す可能性が大きい。株価の上昇基調が崩れなければ、富裕層の支出が徐々に拡大していく展開も期待可能。
 結局、わが国景気は今後も、①資源価格の高止まり、②定率減税の縮小、③米国景気の動向などにより、短期的な振れが生じるものの、基本的には回復傾向をたどると予想される。
 なお、今回の7~9月期予測を前提にすれば、2005年度全体の実質成長率は+2%台半ばに達する可能性が高い。
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