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2005年08月01日

2005年4~6月期GDP統計予測

   2005年4~6月期GDP統計予測
(1)  4~6月期のわが国実質GDP(1次速報値、8月12日公表)は、前期比+0.4%(年率換算+1.5%)となった見込み。
 個人消費・設備投資の2大内需項目が底堅い動きを続けていることに加え、1~3月期に前期比マイナスとなった輸出が、米国・中東・中南米向けを中心に息 を吹き返したことなどから、3四半期連続のプラス成長に。支出面からみたわが国景気は、「踊り場」状態からの脱却をうかがう状況。
(2) 主要需要項目の動きは以下の通り。

(イ) 個人消費(実質:前期比+0.2%、年率換算+0.6%)
 1~3月期の急増(年率+4.6%)後も前期比プラスに。雇用不安・所得不安が和らぐなか、中所得者層の支出が持ち直していることが主因。支出項目別にみると、①大型連休におけるレジャー需要、②デジタル家電・パソコン、③季節商品(エアコン、「クールビズ」関連をはじめとする夏物衣料)などの分野に明るい動き。乗用車も相次ぐ新車投入、販促強化が奏功し堅調。

(ロ) 住宅投資(実質:前期比▲2.4%、年率換算▲9.1%)
 2期連続の前期比マイナス。1月からの住宅ローン減税縮小などを受けて、持家を中心に頭打ち傾向が持続。

(ハ) 設備投資(実質:前期比+2.2%、年率換算+9.2%)
 1~3月期に続き、年率+9%台の強めの伸び。①電力業のペントアップ需要(電力業の2005年度設備投資は12年ぶりに増加へ)、②マスコミ業の建設投資(テレビスタジオ、印刷工場)といったいくつかの大規模案件が押し上げている側面があるものの、基本的には、潤沢なマネーストックの一部を産業高度化に向けた投資へ重点配分する動きが広がってきている。投資需要の厚みは着実に増す方向。

(ニ) 民間在庫投資(実質:前期比寄与度▲0.2%ポイント)
 3期ぶりに前期比マイナス。出荷の拡大を背景に、1~3月期に資本財分野などで生じた「意図せざる在庫増」の深刻化は回避。
 ただし、①中国の生産能力拡大の影響から、生産財の汎用品分野で在庫が積み上がっていること、②海上輸送のボトルネックに改善がみられないなか、船積み待ちの製品在庫が高水準にあることなどから、マイナス幅は昨年度後半の在庫増加ペースからみて小さい。

(ホ) 公共投資(実質:前期比▲0.5%、年率換算▲1.8%)
 減少傾向が続いているものの、2004年度補正予算(災害復旧関連、2月成立)の需要押し上げ効果が顕在化し、マイナス幅は一時的に縮小。

(ヘ) 輸出(実質:前期比+2.3%、年率換算+9.6%)
 1~3月期の減少から息を吹き返す格好に。米国・中東・中南米向けの自動車、資本財輸出が大きく牽引。
 もっとも、1~3月期の減少の主因であった中国・EU向けの頭打ち傾向は持続。加えて、輸送遅延の影響などを均すべく、1~6月の伸び率をみると年率+3.1%。2004暦年前半の同+19.3%、後半の同+6.6%からみれば、スローダウンの方向。

(ト) 輸入(実質:前期比+1.2%、年率換算+5.1%)
 原油輸入に弱い動きがみられるものの、①国内民需の堅調、②国際分業体制の稼動本格化を背景に、8期連続の前期比プラス。
(3)  今後を展望すると、各種構造調整圧力が後退するなか、景気のダウンサイドリスクは低下。設備投資の拡大、雇用環境の改善などを背景に、景気は底堅さを増していく見込み。
 もっとも、①中国・EU向けを中心に輸出の横ばい状態が続くとみられること、②素材や電子デバイス分野で在庫調整の遅れがみられることなどから、景気回復傾向が明確化するのは秋口以降になる見通し。



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