ニュースリリース
2013年10月02日
各位
株式会社日本総合研究所
個人向け地域交通サービス創出を目指すコンソーシアム設立について
~オンデマンドの交通手段と外出促進の仕組みによる地域活性化~
株式会社日本総合研究所(本社: 東京都品川区、代表取締役社長: 藤井順輔、以下「日本総研」)は、ネットワーク技術や無人運転技術などを活用した新たな個人向け地域交通サービスの開発を目的に、本日、「Community Oriented Stand-by MObility Service(COSMOS)コンソーシアム」を設立し、参画する民間企業や自治体などと共に設立総会を開催しました。
COSMOSコンソーシアムが目指すのは、地域における住民の往来を活発化させることで地域活性化に貢献する全く新しい個人向け地域交通サービスです。1~2人乗りの無人運転の乗り物によるオンデマンドかつドア・ツー・ドア、そして低コストの交通手段と、地域の生活・娯楽・行政情報を住民のスマートフォンなどに送信し配車まで行える外出促進の仕組みを組み合わせ、地域内の移動の容易化および外出意欲の向上を図る構想です。
輸送機器メーカーや通信機器メーカー、交通事業者、不動産デベロッパー、ゼネコンなど、インフラ構築に貢献できる民間企業と地域交通手段の一つとしてCOSMOS導入を検討する自治体・地域コミュニティが参画するCOSMOSコンソーシアムでは、2016年3月末までに、ニーズ調査からビジネスモデルの検討、そして実証プロジェクトまでを実施する予定です。
個人向け地域交通サービスは地域活性化の重要インフラ
バスや鉄道など公共交通の廃止や縮小が進み、高齢者や子供、運転免許を持たない人々など、いわゆる交通弱者の方々の移動がますます困難になっている地域が増えています。かといって、自治体の財政負担を増やして公共交通を維持することは現実的でなく、そうした地域では、住民の移動が減少することで地域の商工業者から活気が失われ、それが一層の住民の減少と公共交通の減少を招く悪循環に陥ってしまいがちです。日本総研が提唱するCOSMOSは、低コストの交通手段と住民の外出促進の仕組みを組み合わせることで、そうした地域における住民の往来の活発化を図る、全く新しい個人向け地域交通サービスです。
現在COSMOSで使用を想定する移動手段は、近距離移動に適した、自転車並みの速度(時速約15~20km)で走行する、1~2人乗りの無人運転による電動の乗り物です。住民はスマートフォンなどから利用申請を行い、タクシーと同じように希望する時間にドア・ツー・ドアの移動が可能です。また、乗り物と地域の商工業者や自治体、そして住民を通信ネットワークで結び、商工業者からはタイムセールをはじめとした買い物やイベント関連情報、自治体からは住民サービス情報などを住民のスマートフォンなどに送信して外出を提案し、そのまま配車までできる機能も備える計画です。
COSMOSは無人運転技術を活用するため人件費が低く、運行コストが低廉です。また、1~2人乗りの電動の乗り物は、バスや鉄道に比べて車両費が安いため、初期投資も抑えられます。さらに、固定したルートや運行時刻を持たないため、空車のまま走行するコストも最小限(ほとんどが迎車時)です。
【住民のメリット】
低コストでタクシーのような利便性を持つCOSMOSの活用で、外出がとても気軽なものになります。また、乗り合いではないため、回り道や他人の乗降時間はありません。さらに、COSMOSを通じて商工業者や自治体から送られる生活・娯楽・行政情報を確認した画面から、そのまま車両の予約ができるため、自分に必要な情報をすぐに行動に結び付けやすくなります。
【商工業者のメリット】
住民が店先まで気軽に来られるようになるため、集客が容易になります。また、生活・娯楽情報の発信機能を活用すれば、在宅中の住民をタイムセールなどで呼び寄せることも可能です。
【自治体のメリット】
住民の移動手段の整備と財政負担の低減を両立でき、生活しやすい街づくりに貢献します。また、住民の往来が活発化することで、住民同士の交流や地域の商工業者に活気をもたらし、最終的には地域が活性化することも期待できます。
COSMOSコンソーシアムの活動概要
COSMOSコンソーシアムには、民間企業および地域交通手段の一つとしてCOSMOSの導入を検討する自治体や地域コミュニティが参画し、ニーズの調査をはじめ、必要な技術や法制度の検討、そして持続可能なビジネスモデルの構築を行い、地域活性化と新市場の創出を目指します。【活動内容】
サービスの提供者および利用者の視点に立ったサービス内容とするため、インフラ構築に貢献できる民間企業および全国の10以上の地域の自治体やコミュニティと協力し、それぞれの地域に応じたニーズを把握しながら、各地に展開可能なビジネスモデルを構築します。
また、同時に技術検討と知財開発を行います。また、車両の扱いや道路の利用などに関連する法制度上の課題を洗い出し、政策提言も実施します。
具体的には、以下の成果を目指します。
ビジネスモデルの構築と事業化検討
周辺知的財産の獲得
【活動期間】
フェーズⅠ(2013年10月~2014年3月)
マーケット部会と技術部会に分かれ、地域ニーズ等の把握、それを基としたビジネスモデルの検討および組み合わせ技術の検討・知財化を実施
フェーズⅡ(2014年4月~2016年3月)
検討したビジネスモデルを基に実証プロジェクトへと展開
【参画メンバー】
民間からは、輸送機器メーカーや通信機器メーカー、交通事業者、不動産デベロッパー、ゼネコンなど、COSMOSのインフラ構築に貢献できる企業が参画し、それぞれの立場からの知見を提供します。
また、倉敷市(岡山県)、神戸市(兵庫県)、さいたま市(埼玉県)、品川区(東京都)、つくば市(茨城県)、東広島市(広島県)、広島市東区(広島県)などの自治体や地域コミュニティも参画し、実証プロジェクトの検討を行います。
以上
本件に関するお問い合わせ先
【報道関係者様】
広報部 山口 直樹 Tel:03-6833-5691
【一般のお客様】
創発戦略センター 宮内 洋宜 Tel:03-6833-5365