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《 2012~13年度見通し 》
低空飛行のなか牽引役探る関西経済

2012年07月19日

【本レポートのポイント】

1.関西経済は、昨年夏ごろから減速していたが、本年入り後は底入れを探る展開。もっとも、内需・外需の回復力は脆弱。全国対比では、関西の出遅れ感が目立っている。

2.輸出は年初来下げ止まり傾向。国・地域別には、米国、ASEAN向けが回復、アジアNIEs・EU向けが減少に歯止めがかかりつつあるものの、ウェイトの大きい中国向けが依然として減少。一方で、輸入は石化燃料の増大に伴い高止まり。貿易収支は月ごとに赤字、黒字が入り交じる状況。

3.企業部門については、関西系企業の2012年度設備投資計画が2年振りに前年を上回っている。しかし、建築着工統計や企業の設備過剰感をみると、設備投資が盛り上がる土壌はなし。企業収益も底入れの兆しが見えるとはいえ、減益基調で損益分岐点比率も上昇。このように、設備投資を取り巻く環境は良好とはいえず。

4.家計部門については、雇用・所得環境の改善ペースに頭打ち感があるが、これまでのところ底堅い動き。

5.2013年までの世界経済を展望すると、先進国では米国の堅調と欧州の低迷が鮮明化。中国は底堅い成長を維持。世界経済全体として、2012年3.5%、2013年3.9%の実質成長を遂げる見通し。
 この間、わが国経済は外需に大幅な伸長が期待できないなか、内需の自律回復力にも乏しく、政策発動のタイミングに左右される展開。復興需要が景気を押し上げる2012年度は2.3%、消費税引き上げ前の駆け込み需要が発生する2013年度は1.5%の実質成長となる見込み。

6.関西における今夏の電力不足に関しては、計画停電の事態が発生しても直接的な影響は限定的。しかし、停電の「可能性」の間接影響は、(1)関西における中長期的な設備投資抑制、(2)海外に対する関西ブランド低下、を通じて、無視し得ないものになろう。

7.関西の中国、アジアNIEs向け輸出の動向を分析すると、昨年来、これら地域の成長の果実を十分に享受出来ていないとの結果。今後、これら地域の成長率が高まっても、関西からの輸出はさほど伸びない可能性。

8.これらに加えて、関西においては東日本大震災の復興需要が限定的であることから、2012年度の実質経済成長率は全国を下回る1.0%にとどまる見通し。2013年度は全国においても復興需要がピークを超えることから、関西と全国の景気はシンクロナイズし、ともに1.5%成長となる見込み。関西が再度高い成長を遂げるには、アジアの成長を取り込むことが出来る大型の産業の存在が必要。

9.大阪都心におけるオフィスビル大量供給については、これまでのところ、スクラップアンドビルドが行われている。今後も同様の新陳代謝が行われるか否かが都市魅力向上の観点からも注目される。

本件に関するお問い合わせ先

調査部 関西経済研究センター 廣瀬 茂夫、西浦 瑞穂
TEL: 06-6479-5750、5753
E-mail: hirose.shigeo@jri.co.jp nishiura.mizuho@jri.co.jp

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