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《2012年度見通し》
失速懸念高まる関西経済

2011年12月08日

【本レポートのポイント】

1.関西経済は、2011年夏場に停滞局面入り。鉱工業生産は、全国的には震災の影響が一巡しかけた7月以降に減少基調に転落。主因は、中国、アジア向け輸出の減速。とりわけ中国以外のアジア向けは直近で2010年のボトムを割り込み減速感が強い。アジア主要国・地域の経済情勢は、中国が旺盛な内需を背景に高めの成長を続けているものの、外需依存度の強いNIEsを中心に成長率が鈍化。

2.海外景気の減速を受けて、企業部門は減益に陥り、設備投資も先送り姿勢が広がっている。家計部門においては、雇用・所得環境の持ち直しを背景に消費が底堅く推移しており、企業部門の不振が波及する動きは足元限定的だが、製造業所定外労働時間に縮減の動きがみられるなど、先行き楽観視は出来ない。

3.関西経済の見通しの前提として、全国の景気を展望すると、外需の牽引力低下、生産拠点の海外シフト、などを背景に2012年度いっぱいは低めの成長にとどまる見通し。もっとも、復興需要の顕在化や個人消費の持ち直しなども期待できるため、景気の腰折れは回避可能。この間、世界経済は減速傾向が続く見通し。米国や中国は底堅さがみられるものの、欧州が停滞するほか、アジアNIEsやASEAN主要国も2011年並みの成長にとどまる見通し。

4.関西経済は、アジアへの輸出ウェイトが高く、アジア経済の変動の影響を強く受ける。輸入についても、韓国、中国の輸出ドライブにさらされやすい体質。このもとで円高や電力不足で企業の海外シフトが加速。2012年度は関西にとって外需に逆風の年。年度半ばには貿易赤字が定着する公算大。

5.電力不足は、2012年冬場は乗り切れるものの夏場は厳しい節電努力が不可避。本年並みの節電では11日間にわたって停電する恐れも。大幅な節電が企業活動の制約要因に。

6.2012年度の関西経済は、(1)輸出伸び悩み・輸入増加のもとでの外需低迷、(2)電力供給制約に伴う経済活動の不活発化、などによって停滞色の強い展開になる見通し。実質成長率は0.4%と、マイナス成長は回避するものの失速に近い状態に陥る見込み。

7.関西経済はアジアの成長を取り込みやすいという点で中長期的にはポテンシャルが高い。それを活かすためには、企業の海外シフトが避けられないなか、新規産業の創出が課題。関西広域連合設立1年を経て、各府県が協調してフロンティアを切り拓くことが不可欠。

本件に関するお問い合わせ先

調査部 関西経済研究センター 廣瀬 茂夫、西浦 瑞穂
TEL: 06-6479-5750、5753
E-mail: hirose.shigeo@jri.co.jpnishiura.mizuho@jri.co.jp

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