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Business & Economic Review 2010年11月号

【特集 拡大する新興国経済と新たなビジネス展開】
安定成長を続けるベトナム経済-人的資本の強化を通じた高付加価値化と脆弱性の克服が課題に

2010年10月25日 三浦有史


1.はじめに

ベトナムの2010年1〜6月期の実質GDP成長率は前年同期比6.2%となり、6.5%に設定された通年の成長率目標の達成が視野に入ってきた。金融危機の影響を最小限にとどめ、消費市場としても頭角を現しつつある同国に対する期待は高い。わが国では、「強い経済」を実現するため、原子力発電所や高速鉄道といったインフラ輸出が「新成長戦略」の一つと位置付けられ、ベトナムにおける受注の可否は同戦略の行方を左右する試金石と位置付けられている。

本稿ではベトナムの経済成長の持続性を検証する。最初に、有望な投資先として注目を集めるベトナム経済のパフォーマンスをどのように評価すべきかについて考える。次に、成長を持続させるための課題を取り上げ、最後にそれらを解決するためにどのような政策が採られるべきかを検討する。ベトナムは、中国のように所得格差の急速な拡大に象徴される経済発展の矛盾が顕在化していないものの、製造業の競争力が弱く、人的資本の蓄積も十分に進んでいない。また、財政および金融政策も市場の信頼を得るにはいたっておらず、中所得国入りするための課題は山積している。
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