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Business & Economic Review 2010年6月号

【OPINION】
地域主権時代に改革を求められる地方議会

2010年05月25日 高坂晶子



  1. 地方自治をめぐる環境の変化

    近年、高齢化の進展やライフスタイルの変化によって公益サービス需要が増大する一方、国、地方を通じて財政難が続き、自治体が実行可能な事業・サービスの範囲は厳しい制約を受け始めている。国の規格による全国一律の公益サービスが、病児保育や不登校対策など多様化する住民ニーズを充足できない事態も生じている。一方、国主導の画一的な成長戦略の有効性が低下するなか、地域の独自資源を生かした経済振興策の敏速な実行が望まれている。自治体が自立し、地域事情やニーズを踏まえながら、公益サービスの内容・優先順位および投入資源の配分を最適化しなければ、円滑な地域経営と成長は極めて困難な局面に入りつつある。

    このような事情を勘案すると、中央省庁の抵抗は依然強固とはいえ、地方分権の趨勢は不可避といえる。従来、権限に付随してきた国からの財政移転の縮小に伴い、限られた財源で地域経営を迫られる自治体の手腕の巧拙も一層鮮明になる。勢い、地元のパフォーマンスに対する住民の関心と参加欲求は高まり、今後、「意向反映を求める住民の要求実現をいかに担保するか」、「意向反映のために住民が自治体を統制(control)する有効な仕組みは何か」が地方自治の重要課題となる。
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