地方議会の置かれた状況をみると、制度的な問題もさることながら、関係者の意識に由来する問題が多い。さらに、議会の自主性に対する配慮、および議会活動に対する評価の困難さという改革のネックについて、完璧な解決は困難であり、直裁で即効性のある改善策を見い出すことは難しい。その点、行政評価やNPM(New public management)など、先進事例の紹介と導入が盛んな行政機関改革に比べ見劣りがする。地方議会の場合、間接的で漸進的な施策をきめ細かく積み重ね、徐々に改革を進めるしかなく、議員自身のみならず、首長や地域住民は、このような迂遠な道のりに耐えて、息の長い努力を弛みなく続ける姿勢が強く求められる。