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Business & Economic Review 2001年04月号

【REPORT】
木材廃棄物は、石炭火力発電の代替燃料として積極的に活用せよ

2001年03月25日 調査部 環境・高齢社会研究センター 藤波匠


要約

今後、問題の拡大が懸念される木材廃棄物(木くず)の問題解決には、木くずに対する認識の転換が不可欠である。木くずは、廃棄物ではなくバイオマスであるという考え方が、解決の糸口となる。バイオマスであれば、廃プラスチックなどと異なり、マテリアルリサイクルが最優先される必要はない。燃やしてエネルギーを回収することこそ最も有効な再利用方法であり、温暖化対策の主力と位置付けることも可能である。

木くず対策としては、建設リサイクル法でパーティクルボードへのマテリアルリサイクルの道などが示されているが、市場性の問題やボード自体のリサイクル方法など不透明な部分が多く、問題の解決に結びつくとは考えにくい。

木くずをバイオマス燃料に利用する条件として、木材を産する森林が持続可能な経営でなければならない。減少傾向に歯止めのかからない熱帯地域の天然林ではあるが、先進国への木材輸出による影響は徐々に低下しているといわれる。国際熱帯木材機関による「目標2000(林野庁仮称)」の設定や、森林管理協議会(FSC)や国際標準化機構(ISO)による持続可能な森林の認証制度など、森林経営の適正化に向けた動きが進んでいる。

木くずのエネルギー回収方法で最も期待されるのが、既存の石炭火力発電所における石炭との混焼である。近年、木くずの混焼に適した流動床炉を用いた石炭火力発電所も稼働を始めており、電力会社の積極的な取り組みが期待される。

欧米では、バイオマスのエネルギー利用は、温暖化対策の主力として位置付けられている。木くずの燃料利用を起爆剤として、他のバイオマスの有効利用についても、国、地方公共団体、民間企業、NPOが積極的に検討し、推進すべきである。世界でもまれなバイオマスの宝庫で、かつ地下資源に恵まれていない日本が選ぶべき、当然の選択肢である。