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Sohatsu Eyes

2003年環境ビジネスの展望(1/2)

2003年01月14日 木通秀樹


「Sohatsu Eyes」のスタートとして、環境ビジネス分野の2003年の展望を示させていただきます。 2003年は、新たな事業方式が発達する年になるでしょう。
それは官民協働によるアウトソーシングです。また、これまで、 廃棄物処理分野が中心でしたが、公共インフラの本丸である 上下水道、環境面で重要な課題となるバイオエネルギーなど新たな分野へも事業範囲が拡大します。

当クラスターでは、環境ビジネス、特に廃棄物処理を中心とし たPFI(Private Finance Initiative)、などの官民協働事業のインキュベーション活動を行ってまいりました。官民協働の事業推進は、この数年、特に1999年にPFI法が策定されて以来、急激に進んできました。また、小泉内閣による「民間が実施可能な 事業は民間事業者に委託する」方針によってその勢いは増すばかりです。

現在では、従来型の公共発注方式を実施するにも、PFI型の事業との事業性比較を行なってからでなければ実施できなくなる傾向が強まってきています。 これだけ意識が変革されてきた背景には、PFI事業の実施例が 自治体の担当者の方々のご努力によって、財政負担の軽減という大きな成果を上げてきたという事実があります。

官民協働事 業の第1号である北海道の西胆振広域廃棄物処理施設は2003年3月には竣工します。 2003年、この新たな施設の誕生により、民間との協働に不安を抱く自治体も動き出す年になるでしょう。

この結果、2003年は官民協働の傾向がさらに加速されていくこととなるでしょう。その影響は、PFI事業のみならず、新たなアウト ソーシング市場を形成していくことになります。というのは、PFI事 業は新設工事にのみ適用されますが、アウトソーシングは現在 稼動中の施設にも適用できる事業方式であり、官民協働による 財政負担軽減効果が広く享受されることになるからです。

事業分野も拡大します。これまで遅々として進まなかった、上下水道分野においてもアウトソーシングが適用され、新エネルギー として期待されるバイオエネルギー事業は、官民協働により農業 地域の廃棄物問題も解決していくこととなります。

我々環境ビジネス分野(環境ビジネスクラスター)の目的は、 事業もしくは産業のインキュベーションにあります。 官民協働の事業方式を普及し、環境重視の社会に変革することです。これにより、公共事業として長らく効率化されることがなかった事業は、民間開放による新たなる市場を創出することとなります。

そのために、我々は小さな変化を起こします。 それは1つのコンソーシアムであったり、事業の立ち上げであった りします。今、社会は大きなエネルギーを蓄積しています。 このエネルギーによって小さな変化は自己組織的に大きな変化へと拡大していきます。

創発的インキュベーション活動。 我々が目指すものはここにあります。
 
※eyesは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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