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Sohatsu Eyes

創発ごころ/創発の源泉

2003年08月12日 木通秀樹


「バイオマス」という言葉を耳にしたことはありませんか? バイオマスとは、今後の環境対策のキーワードです。生物由来の資源のことで、エネルギーや新材料に利用される環境にやさしい資源として注目されています。 バイオマスの代表例は、生ごみや間伐材、菜の花油といったものです。 これらをエネルギー資源として有効利用します 。海外では、生育の早いユーカリの木やサトウキビなどの栽培を行ってエネルギー源とする試みもあります。

しかし、いずれも、わが国ではまだ産業としては実現されて いません。 幾多の先人達がバイオマスの産業化を図り、敗れていきました。その敗因 は究極にはどこにあるのでしょうか。事業環境が整備されていなかったということもありますが、やはり視野の狭さというところにあるのではないでしょうか。これまでにないものを創る、できないことをできるようにするためには何が必要か。現状を打破する答えはいつも1つです。

「もっと高いところから見よ」です。 人は、矛盾を背負って成長していかなければなりません。自分の過去の成功 に対するプライドを持つことも必要ですが、プライドを持つがゆえに視野が 固定化してしまいます。成長するためには自分の過去の成功を否定しなければならないのです。この厳しさに勝って視野を広げ、新たな自分を発見できた者だけが、誰も成しえなかったことができるようになるのです。 これこそがインキュベーションです。

わが国の環境問題、農業問題は大変奥の深い問題です。日本のバイオマス産業はどうあるべきか、この点を見直すところから取り組んでいく人が、今求めら れているのではないでしょうか。バイオマスのテーマに取り組み、何度も挫折を味わいながら、少しずつ視野が広がっていくのを感じます。

左に1枚の写真があります。あたり一面の菜の花畑です。 しかし、実は菜の花畑はこの写真に写っている広さしかありません。あなたはそのことを疑って見ましたか?
 



※eyesは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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