1995年以来、わが国は地方分権改革に取り組み、財源移譲はいまだ実現していないものの、機関委任事務の廃止や条例制定権の拡大、法定外税の導入等により、自治体の自由度はかなり高まった。この結果、中央省庁の画一的な指導よりも地域事情を重視した施策を行ったり、新行政経営(NPM:new public management )、業績評価と予算の連動、執行と企画の分離など民間の経営手法を採り入れた行革手法)を国に先駆けて採用する自治体が登場しつつある。ただし、先進事例は3,200余を数えるわが国自治体の一部に過ぎない。このような状況下、全国一斉に行われる統一選は、各地の多様な情報が飛び交うなかでわが国地方自治の抱える問題が浮き彫りとなる一方、地域住民がそれを克服する道筋や手法を探り、参考とする絶好の機会といえる。