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2005年06月24日

米利上げの「着地点」を探る

レポートの要旨
1. 本レポートでは、米国政策金利の「中立的な水準」を検討するとともに、昨年6月以来続いている米FRBの利上げの「着地点」を展望する。
2. 米国の実質FF金利と実質GDPの関係をみると、景気に中立的な金利水準は、局面局面で大きく異なっている。また、グリーンスパンFRB議長は、「中立的な金利水準」をベースとするテイラー・ルールとは異なるアプローチで金融政策を行っている。
3. 一方、80年代後半以降、実質FF金利とGDPギャップとの相関が顕著に強まっている。すなわち、GDPギャップが残存する局面では、緩和的な金融政策を行うことで潜在成長を上回る高成長を促し、GDPギャップの縮小に伴いその緩和度合いを緩めるという舵取りが行われている。ちなみに、88年~00年までの両者の関係をみると、GDPギャップが解消される時点での実質FF金利は+3%前後。
4. 上記GDPギャップと実質FF金利の関係が続くことを前提に追加利上げ余地を検討すると、最終的には中立的な実質FF金利(+3%前後、名目FF金利で4.5~5.0%)まで利上げが続く見込み。もっとも、05年1~3月期において▲1.3%のGDPギャップが存在しており、当面の追加利上げは同GDPギャップに見合う実質FF金利水準(+2%前後)まで、すなわち追加で0.50~0.75%の利上げにとどまる見込み。在庫調整などから当面潜在成長率並みの成長が続くとみれば、その後は、一旦利上げを小休止、景気睨みで微調整を行う姿勢に転じる公算。以上の考察は、GDPギャップの代理変数である失業率、設備稼働率との関係からも確認。
5. ただし、米FRBが長期金利に対するコントロールを失っている状況下、利上げが狙い通りの効果を発揮するかどうか疑問の余地あり。米国企業部門のISバランスの観点からは、実質FF金利を現行水準から大きく引き上げる誘因は乏しい一方、長期金利低下を受けた家計部門の消費・投資活発化がGDPギャップの縮小をもたらしている。こうした状況下での性急な利上げは、①企業の投資慎重姿勢の長期化を招く恐れがあると同時に、②逆に長期金利の大幅な上昇を通じて住宅バブル崩壊に繋がる恐れがあリ、米FRBは「慎重な利上げ」姿勢を維持せざるをえない見通し。
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