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2005年05月02日

2005年1~3月期GDP統計予測

2005年1~3月期のわが国実質GDP(1次速報値、5月17日公表)は、前期比+0.5%(年率換算+2.0%)となった見込み。
 近年のわが国景気を牽引してきた輸出が前期比マイナスに転じたものの、個人消費・設備投資の2大内需項目が昨年末にかけての伸び悩みの動きから息を吹き返し、2四半期連続のプラス成長に寄与。
 もっとも、前年同期比でみれば+0.2%にとどまったほか、名目GDPは、デフレーターの下落傾向が続くもとで、前期比+0.1%(年率+0.4%)とほぼゼロ成長。結局、わが国景気が一進一退・強弱混在の状況にあることを確認する内容に。
主要需要項目の動きは以下の通り。

イ)個人消費(実質:前期比+0.9%、年率換算+3.8%)
 3期ぶりの前期比プラス。①雇用者報酬が冬季ボーナスを中心に底入れの動きとなったこと、②年明け後の気温低下が季節商品の購入を喚起したこと、③天候不順・自然災害の影響で昨年後半に手控えられていたサービス需要(旅行、外食など)が持ち直したこと、が主な背景。
 もっとも、前年同期比でみれば+0.6%にとどまっており、個人消費は依然として横ばい圏内の動きと判断。

ロ)住宅投資(実質:前期比▲1.0%、年率換算▲3.9%)
 5期ぶりの前期比マイナス。1月からの住宅ローン減税縮小などに伴い弱含み。

ハ)設備投資(実質:前期比+2.1%、年率換算+8.6%)
 プラス幅が昨年10~12月期対比拡大。企業各社が、高水準にあるキャッシュフローの一部を、産業高度化に向けた投資に振り向け始めた可能性。
 具体的には、製造業では、工場建て替えや、工作機械・産業用ロボット・金属加工機械を導入する動きが積極化。非製造業でも、物流拠点整備への投資などが堅調に推移。

ニ)公共投資(実質:前期比▲7.1%、年率換算▲25.4%)
 減少ペースが加速。災害復旧を目的とし、本年2月に成立した2004年度補正予算の需要押し上げ効果は、4~6月期以降に顕在化する見通し。

ホ)輸出(実質:前期比▲0.6%、年率換算▲2.6%)
 2001年10~12月期以来の前期比マイナス。米国向けが輸送機械を中心に拡大したものの、全体の5割弱を占めるアジア向けの減速感が強まったほか、EU向けも現地景気低迷のなか、輸送機械や民生用電気機械を中心に弱含み。
 アジア向け輸出の減速には、①各国におけるIT関連財の在庫調整に加え、②対中直接投資ブームの一服を映じた中国向け資本財輸出の頭打ち、が大きく影響。

ヘ)輸入(実質:前期比+0.1%、年率換算+0.5%)
 2003年後半から続いた年率+10%前後の増勢に一服感。
 もっとも、このところの輸入の動きには、「航空機類」など一部品目の急増・反動減により、大きな振れがみられる。基調としては、①国内民需の堅調、②国際分業体制の稼動本格化を背景に、依然として拡大の方向。
 以上を前提にすると、2004年度通期の実質成長率は+1.6%と、03年度の+2.0%を下回ったものの、1%台前半と推定される潜在成長率を若干上回った見込み。
 今後を展望すると、わが国景気は4~6月期以降、①電子デバイス分野における調整色の薄れ、②設備投資の拡大基調持続、③所得・雇用環境の底入れ、④公共投資減少ペースの一時的鈍化、を背景に、「踊り場」状況から徐々に持ち直しの動きへ。
 もっとも、当面の米・中経済に対し2003~04年のような高成長を期待することが困難ななか、わが国景気の回復テンポに弾みがついていくかどうかは、国内民需の自律回復メカニズムが十分に作動していくかどうかにかかっている。
 換言すれば、①潤沢なキャッシュフローが、産業高度化・非価格競争力強化に向けた設備投資にどこまで回されるか、②労働分配率が下げ止まり、「雇用者所得増加→家計需要増加→企業収益拡大」の好循環が作動していくかどうかが、これまで以上に重要なポイントに。
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