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2005年03月25日

旅行者の流れから探る関西の地域連携の課題

【要旨】
1. 3月25日に愛知万博が開幕し、関西でも、愛知万博を訪れる観光客を獲得して、観光需要を盛り上げようという動きがみられる。また、2月17日には中部国際空港が開港したが、関西国際空港も2本目の滑走路を2007年に供用開始することを目指している。人や物の移動を巡って、関西が中部など他の地域とどのように役割分担や連携を図るかという課題は、今後ますます重要になると考えられる。
2. 訪日外国人旅行者数の動向をみると、年間507万人がわが国を訪れ、一人平均約2.1都道府県を周遊している。この結果、各都道府県を訪れる延べ旅行者数は1,060万人で、地域別には関東441万人、関西279万人、九州101万人などとなっている。
3. 九州、関東、北海道を訪れる外国人旅行者は、主に同一地域内を周遊し、他地域への訪問は比較的少ない。関西や東北を訪れる外国人旅行者は、同一地域内と他の地域での周遊を組み合わせる行程を取っている。
4. 関西を訪れる外国人旅行者が同時に訪れる他の主な地域は関東。他方、関西は、中国、四国などを訪れる外国人旅行者にとって、主な訪問先になっている。中部を訪れる外国人旅行者が同時に訪れる他の主な地域は関東で、関西がこれに次ぐ。
5. 外国人旅行者が訪れる地域別に、空港の利用状況をみると、関東、東北、甲信越は、成田が大半。関西は、関空が過半を占めるが、成田も多い。中部は、成田と名古屋の併用。
6. アジア4か国・地域(中国、韓国、台湾、香港)からの訪日旅行者数は年間287万人で、外国人旅行者全体の57%。各都道府県を訪れる延べ旅行者数は586万人。全外国人旅行者中、アジアからの旅行者の割合が高い地域は北海道と九州。関西は全体平均並み。
7. 年間の国内宿泊観光旅行者数は延べ1億5,513万人。主な旅行先は、関東、中部・北陸、甲信越、関西など。
8. 関西は、訪日外国人旅行者にとっても、国内宿泊観光旅行者にとっても主要な旅行先の一つであるが、関東など他の地域を圧倒する存在にはなっていない。関西と中部の連携という観点からみると、現状、関西は中国、四国との関係は比較的強いが、中部との結びつきは十分ではない。中部から見れば、関西との関係と関東との関係がほぼ同程度であり、関西が特別な存在とは言えない状況である。
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