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本リポートでは、デフレの"象徴的存在"であった衣料品価格の変遷を分析することを通じて、最近のデフレ緩和の背景とその実態についての一側面を考察。 |
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本衣料品の「価格破壊」は、企業が中国をはじめとしたアジアでの生産拡大などを通じて大幅なコスト削減を図ったことで実現。このような企業による価格の引き下げ努力が、家計の低価格志向を刺激し、99年から2000年頃にかけて、景気回復局面においても低価格志向が強まるという特異な現象をもたらした。 |
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2002年以降、物価水準が大きく低下し、家計の低価格志向が薄れるなか、「価格破壊」のトレンドは、企業が脱低価格戦略を模索しはじめたことによって歯止め。もっとも、企業のなかには引き続き低価格戦略を維持する動きもみられ、高付加価値品と低価格品が並存する価格の「二極化」が進展。 |
4. |
本リポートの分析結果((1)価格の「二極化」が持続、(2)企業の戦略が家計の価格志向を大きく左右し、「二極化」の進展は企業の低価格戦略の持続が背景)は、少なくとも衣料品市場から判断する限り、デフレは緩和に向かっているものの、かつてのようにインフレ期待が高まっているわけではないことを示唆。このことが他の商品についてもいえるとすれば、引き続き家計の価格に対する厳しい目が残るもと、企業は自ずと値上げが受け入れられるという甘い期待を抱くことなく、商品ごとに高付加価値路線か低価格路線かの戦略を明確にすることを求められているといえよう。 |