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リサーチ・アイ No.2024-001

労働生産性の低下がユーロ圏のインフレ圧力に ― 単位労働コスト+0.7%ポイント増、インフレ率高止まりも ―

2024年04月03日 藤本一輝


ユーロ圏では労働生産性が低下。昨年10~12月期の時間あたり実質付加価値は、前年比▲1.2%と減少。この背景として、以下2点を指摘可能。第1に、労働力の保蔵。ユーロ圏では企業活動が低迷しているわりには、総労働時間は着実に増加。ユーロ圏の生産年齢人口は今後減少に転じると見込まれており、企業が先を見越して人員を確保している可能性。こうした企業行動は余剰労働力を抱え込むことになり、労働生産性を下押し。

第2に、労働生産性が低い部門への労働移動。2020年以降、財需要の低迷やエネルギー価格の高騰により製造業は雇用を減らす一方、医療ニーズの増加などを背景に公共サービスの雇用は増加。もっとも、労働生産性は労働集約的なサービス業、とりわけ公共サービスで低い傾向。こうした雇用の業種間シフトが労働生産性を下押した可能性。

労働生産性の低下は経済成長力を弱めるほか、インフレの沈静化を妨げる可能性。足元では労働生産性の低下が単位労働コストを押し上げており、仮に現在と同等のペースで労働時間が増加した場合、今年の単位労働コストは前年比+0.7%ポイント押し上げられる計算。企業が単位労働コストの上昇分を価格に転嫁すると、インフレ率が高止まりし、ECBは高金利の維持を強いられる可能性も。

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