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リサーチ・フォーカス No.2023-055

トランプ氏再選は原油価格の上振れリスク―地政学リスクの増大や中長期の投資阻害が原油高要因に―

2024年03月28日 松田健太郎


米国では、2024 年 11 月の大統領選でトランプ氏が再選される可能性が高まっている。トランプ氏再選の場合、これまでのバイデン政権からエネルギー政策が大幅に変更され、原油市場に大きな影響を及ぼすと考えられる。

トランプ氏は、2017~21 年の前政権時と同様に、石油・ガス産業への連邦所有地の積極的なリース許可や開発・掘削に関する規制緩和を推進する見込みである。その結果、バイデン政権下での事業環境への逆風が和らぎ、米国の原油増産が維持されることで原油価格に下押し圧力がかかるとの見方が現状では多い。

もっとも、トランプ氏の政策は、原油価格の上昇圧力を強める可能性の方が高いと考えられる。トランプ氏は、大幅に減少した石油戦略備蓄を補充する政策を公約に掲げており、これが原油需給をひっ迫させる可能性がある。さらに、外交面ではイランへの制裁を強化するなど強硬的な政策が採られる可能性が高く、地政学面からの原油高リスクが増大する。

中長期的にみても、トランプ氏の政策が原油価格を上昇させる可能性がある。同氏の政策を巡る不確実性の高さが障害となって原油関連設備への投資が進まず、米国の原油生産が停滞することに加え、反グリーン政策の影響でガソリン需要が増加するなど、同氏の政策が需給をひっ迫させると考えられる。最近は米国の原油供給の動向が国際価格に大きな影響を及ぼす傾向が強まっているだけに、エネルギー価格の先行きをみるうえでも、米国の選挙結果は要注目である。

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