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リサーチ・アイ No.2023-087

中国、全人代で強気の成長率目標を設定か -本格的な政策支援がなければ掛け声倒れとなる恐れ -

2024年02月26日 野木森稔佐野淳也


3月5日から始まる中国全国人民代表大会(全人代)では、今年の経済成長率目標が前年並みの+5%前後と強気の姿勢が示されると予想。地方政府の成長率目標(加重平均:+5.4%)が高めに設定されているほか、春節休暇中に消費が持ち直したことが強気姿勢を予想する背景。ただし、全人代で思い切った①積極財政、②不動産市場対策、③デフレ回避策が打ち出されない場合、目標達成は困難に。それぞれのポイントは以下のとおり。

第1に、財政赤字と地方特別債発行枠は財政政策スタンスを見極めるうえで重要。報道では、昨年の中央経済工作会議で財政赤字目標は対GDP比3%で合意との見方。もっとも、昨年の同目標は10月に同3.8%に引き上げられたため、昨年比では緊縮に。インフラ投資の実行主体は地方政府であり、地方特別債発行枠が昨年から大きく増えない限り景気浮揚は期待薄。

第2に、不動産市場では深刻な需要不足から在庫が急速に積み上がっており、テコ入れが急務。昨年の全人代では住宅完成保証や不動産企業への支援が打ち出され、夏場には「住宅はあくまで居住用であって投機対象ではない」という原則を撤廃。今年は一段の対策が不可欠。

第3に、消費者センチメントの悪化などを背景に物価が下落しており、デフレ回避策が必要。1998~2002年のデフレ局面で、政府は公共機関等の賃上げなどで消費を喚起。その後の物価上昇で、政府はインフレ目標を3~4%に設定し、インフレ抑制を主眼に置いた政策を実施してきたが、今後はデフレ防止に主眼を置いた政策に転換できるかがカギ。

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