このようにAI リスクへの対応が金融当局にとって重要な政策課題となるなか、今後の対応の方向性として3点が重要に。 ① AI 関連の金融リスクの検証 ~ 国際連携、情報発信 国内金融機関のAI の利用状況や管理態勢等の実態把握、海外当局等との情報共有や意見交換を通じて、AI 関連の金融リスクを検証するとともに、規制・監督強化の具体策を検討する必要あり。同時に、当局の取り組みやリスク認識等に関する情報を、適時適切に発信し、金融機関や市場参加者等の意識を高めていくことが重要。
② 業種横断的なAI リスクへの対応 ~ 包括的な対応策定への関与 データセキュリティやディープフェイク、ハルシネーション等のリスクは、業種横断的に対応方針を検討することが肝要。米国やEU 等の動きを受けて、AI に関する包括的な対応方針の策定が急がれるなか、金融当局として積極的に関与していく必要。
③ 金融機関におけるAI 活用の促進 ~ イノベーションの創出・業務高度化の後押し わが国金融機関が安心してAI を利活用できるよう、内外金融機関等の有効な活用事例や人材採用や研修体制、組織対応といったサポート態勢に関する情報等を適宜共有し、わが国金融システム全体の効率化や高度化を進めることが肝要。