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リサーチ・アイ No.2023-081

紅海の物流混乱が欧州景気に打撃 ― 供給不足でインフレ再燃と生産減少の恐れ ―

2024年01月31日 藤本一輝


欧州では物流が混乱。昨年末以降、イエメンの武装組織フーシ派が紅海を航行する商船に攻撃。これを受けて、多くの海運企業が紅海やスエズ運河を迂回し、喜望峰経由のルートに変更。足元では、紅海を通過する貨物船の積載量は前年比▲60%と激減。

紅海は欧州にとって中東やアジアからの物品輸送などに用いる海運の要衝。紅海と地中海をつなぐスエズ運河では、多くのコンテナ船や石油タンカーが往来。スエズ運河の北向きの貨物輸送の3割は、コンテナ貨物と原油を中心とした北西欧の輸入。このため、紅海での物流混乱が長期化した場合、欧州では輸入が停滞し、以下の2点の悪影響が生じる可能性。

第1に、物価上昇。本年1月のユーロ圏のサプライチェーン納期指数は1年ぶりに節目の50を下回り、供給制約の強まりを示唆。例年の海上貿易は年明けから春頃にかけて増加する傾向があり、今後一段と物流がひっ迫する恐れ。それに伴い、輸送コストの上昇が財価格に転嫁され、インフレが再燃する恐れ。

第2に、生産減少。供給制約による部品不足を受けて、テスラなど複数の自動車メーカーが1~2月にかけて生産の一時停止を発表。こうした動きが続けば、1~3月期のユーロ圏の鉱工業生産は▲0.6%下押しされる計算。


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