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リサーチ・アイ No.2023-073

ASEAN諸国の緊縮財政路線の先行きは不透明― インドネシア・フィリピン・タイの楽観見通しに懸念 ―

2024年01月09日 熊澤知喜


ASEAN各国の2024年予算案を見ると、財政赤字のGDP比が軒並み低下するなど、財政緊縮の方向。ASEAN諸国は1997年のアジア通貨危機後、為替市場の安定強化を目的に財政規律を厳格化したという歴史的経緯。なかでも、マレーシア、ベトナムは、2024年の歳出の伸びが前年から大きく縮小する計画。

一方、インドネシア、フィリピン、タイの3ヵ国は歳出が約1割増と高い伸び。この背景は、第1に、為替の安定。この3ヵ国では為替相場が足元で安定しており、政府内で財政規律順守の切迫感が乏しい可能性。

第2に、国民の支持獲得に向けたバラマキ政策。タイでは2023年に新政権が発足し、公約の大規模な経済対策を実行予定。インドネシアでも2024年の選挙に向けて政府は支出増に積極的。

第3に、楽観的な税収増見通し。この3カ国はいずれも景気回復による税収大幅増を見込んでおりそれを前提に歳出を増加させても財政赤字が削減可能としている格好。もっとも、この3ヵ国では、政策金利が高止まりしており、景気下押し圧力が高い状況。そのため、楽観的な財政計画は修正を迫られるリスクあり。

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