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ビューポイント No.2023-019

中央経済工作会議が示唆する今後の中国経済運営の課題

2023年12月25日 枩村秀樹佐野淳也


中国で12月11~12日に開催された中央経済工作会議では、①不動産不況への対応、②需要の創出、の二つを軸にして「合理的な成長」を目指す方針が打ち出された。中国経済が不動産不況と消費不振に苦しむ現状を踏まえると、基本的な方向性は妥当である。しかし、問題点として二つ指摘できる。

第1に、中国政府は景気回復に向けてアクセルを踏み切れていない点である。不動産不況への対策は企業・地方政府・金融機関の破綻回避に主眼が置かれ、市況回復には力不足である。財政・金融政策のスタンスも抑制的であり、消費押し上げ効果も期待薄である。

第2に、中長期的な成長を阻害しかねない動きがみられる点である。中国共産党の「指導」で経済をコントロールするというプロパガンダ的方針が打ち出されたほか、経済活力よりも安全保障の強化を重視した政策が多い。また、経済改革方針を打ち出す「三中全会」の開催が先送りされているため、経済構造改革の本気度にも疑問符がつく。

当面の中国経済は、政策面からの押し上げ効果は期待薄で、構造問題の解消に向けた取り組みも着手されそうにない。結果として、中国経済の中長期的な成長力や魅力が一段と低下する恐れがある。

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