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リサーチ・アイ No.2023-065

2024年のユーロ圏の金融リスクについて注意すべきポイント ~ ECBは欧銀の業績悪化を懸念 ~

2023年12月06日 谷口栄治


本年11月、欧州中央銀行(ECB)は、金融安定性レビューを公表し、域内の銀行について、累次の利上げに伴う利鞘改善を受けて足元の業績は改善しているものの、今後は、①貸出残高の減少、②調達コストの上昇、③クレジットコストの増加、により、業績が悪化する可能性を指摘。

具体的に、①貸出残高については、資金需要の低迷と貸出基準の厳格化により、法人向けで8年ぶりに前年比減少したほか、②調達コストについても、預金金利や社債調達金利の上昇やECBからの低利調達(TLTRO)の償還により、増加が不可避な状況。③クレジットコストについては、現時点でバランスシートは健全であるものの、高インフレ・高金利環境の継続や不動産価格の下落等を受け、足元にかけて、個人向け、法人向け貸出の双方で不良債権比率が上向きに転じるなど、今後増加する恐れあり。

加えて、スペインやイタリアでは、ネット金利収入が増加した銀行に対する追加課税(windfall tax)導入の動きあり。ECBは、報告書のなかで、追加課税が銀行の資本蓄積を阻害すると指摘。2024年のユーロ圏の金融リスクをみるうえでは、これら要因による銀行業績の悪化と、それが貸出態度の一段の厳格化につながらないか要注視。


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