米国における事象を踏まえ、わが国の金融当局や金融機関が考慮すべきインプリケーションや今後求められる対応は、以下の3点。 ① 当局による動態的・機動的なリスクの把握・管理 わが国全体としてみれば、金利上昇によるバランスシート毀損や預金流出のリスクは総じて限定的と評価できる一方、米国での事例を踏まえれば、個別金融機関のリスク管理やガバナンス、ポートフォリオ等をきめ細かく検証する必要あり。
② デジタル化を踏まえた規制・監督態勢の見直し 金融取引のデジタル化を踏まえた金融規制・監督態勢の構築が不可欠。具体的に、SNS やオンラインバンキング普及に伴う取り付け騒ぎ(デジタルバンクラン)のリスクの検証や、RegTech やSupTech を通じた規制・監督態勢の高度化が重要に。
③ ノンバンクセクターに対する規制・監督 金利上昇に伴うリスクについては、ノンバンクセクターにも存在するため、国際的な連携のもと、リスクの把握や規制・監督のあり方の検討を進めていく必要あり。同時に、金融取引のデジタル化に伴う金融システムへの影響等について、銀行預金への影響にとどまらない俯瞰的な検証が必要に。