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リサーチ・フォーカス No.2023-003

重要となる金融機関のオペレーショナル・レジリエンス

2023年04月21日 谷口栄治


オペレーショナル・レジリエンス(オペレジ)とは、システム障害、サイバー攻撃、自然災害といった想定外のトラブルが発生しても、金融機関が重要な業務(オペレーション)を最低限維持すべき水準で提供し続けられる能力。未然防止策を尽くしても業務中断は必ず起こることを前提とし、トラブル発生時に利用者目線に立った対応策を用意する点が重要なポイント。

オペレジは、金融機関を取り巻く業務環境やビジネスモデルが変化するなか、国際的に注目されており、わが国でも2022 年12 月、金融庁が「オペレーショナル・レジリエンス確保に向けた基本的な考え方(案)」を公表。金融機関には、「重要な業務」の特定等をしたうえで、必要な経営資源を確保することが求められており、こうした取り組みを通じて、リスク管理の高度化、業務効率の改善につながると期待。

金融サービスは、社会・経済活動のための不可欠なインフラであり、オペレジの持続性や実効性を高めていくため、金融機関と当局には、以下の4点が求められる。
① 金融機関におけるオペレジの概念の浸透
わが国金融機関では、ミスのないオペレーションを当然視してきた経緯があることから、リスクを完全に防ぐことはできないというオペレジの概念を浸透させていくために、リスク管理文化を転換させていく必要あり。

② 環境変化を踏まえたオペレジの柔軟な改定

デジタル分野における急速な技術の進歩など、業務環境の急速な変化を踏まえ、オペレジ計画を不断に見直していくことが不可欠。

③ 地域金融機関における対応力強化
地域金融機関では、クラウドサービスの活用など、従来よりもシステムインフラが複雑化しているため、オペレジ確保に向けた取り組みを強化していく必要あり。

④ 銀行以外の経済主体への活用
資金移動業者をはじめとする銀行以外の金融機関の金融・決済システムにおけるプレゼンスや影響力の向上等を踏まえ、オペレジ確保に向けた取り組みの対象範囲の拡大を検討する必要あり。

(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)

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