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リサーチ・アイ No.2023-005

懸念されるノンバンクセクターの金融リスク ~ 国際的な規制・監督の整備が急務に ~

2023年04月18日 谷口栄治


リーマン危機後、投資ファンドや年金基金、保険会社をはじめとするノンバンク・セクター(NBFI)の資産規模が拡大しており、足元では世界全体の金融資産の半数を保有。金融システムにおけるプレゼンスが拡大するなか、IMFは2023年4月に公表した「Global Financial Stability Report」のなかで、NBFI発の金融リスクを指摘。

NBFI関連の金融リスクでとりわけ懸念されるのが、流動性のミスマッチ。昨年、英国年金基金の混乱でみられたように、①投資家からの資金償還要請の増加、②それを受けたファンド等による保有資産売却、③当該金融資産の価格下落やそれに伴う金融市場の混乱、④投資家不安の高まりによるさらなる資金償還の増加、といった悪循環に陥るリスクあり。

また、一部のNBFIでは、投資収益を高めるために、借入やデリバティブを通じてレバレッジを効かせており、市況悪化時に損失が拡大する恐れあり。加えて、金融当局は、NBFIに関するデータを十分に保有しておらず、リスクの所在を把握し難いのが実情。

上記を踏まえれば、NBFIに対する適切な規制・監督の強化が急務。わが国では、投資ファンドや年金基金といったNBFIにおいて、収益率向上のために運用戦略の高度化が求められているが、金融当局においては、それに並行して、NBFIのポートフォリオや流動性リスク、相互連関性等に関するデータ整備を通じて、金融リスクの把握に努めていく必要あり。


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