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リサーチ・フォーカス No.2023-001

欧米主要銀行の2022年決算 ~金利上昇により金融機関経営は新たなフェーズに~

2023年04月04日 谷口栄治


欧米主要銀行の2022年決算をみれば、ネット金利収入が増加した一方、投資銀行ビジネスの不調、信用コストの発生等がボトムライン収益の重石に。金利上昇が鮮明となった2022年の事業環境の概況、ならびに今後想定される変化は以下の通り。
(ネット金利収入)
利上げにより、利鞘の改善、ネット金利収入の増加が鮮明に。今後は、預金をはじめとする調達金利の上昇が想定され、同収入の伸び率は鈍化する見込み。

(非金利収益・・・投資銀行ビジネス)
地政学リスク、高インフレ等により先行き不透明感が高まるなか、投資銀行業務関連収益は、過去最高となった2021年から大幅減。今後も経済・金融情勢の混乱等により、企業活動停滞リスクが残存。

(マーケット関連、ウェルスマネジメント事業)
金融市場のボラティリティ増大等により、マーケット関連収益は増加。一方、金融資産価格の下落により、ウェルスマネジメント事業は低調に。今後もボラティリティの激しい市場環境は継続する見込み。

(営業経費・クレジットコスト)
高インフレを受けて、営業経費が増加。経費率改善のため、業況の厳しい投資銀行部門を中心に人員削減に踏み切る動きあり。また、景気見通しの悪化によりクレジットコストも増加しており、足元で金融システム不安も高まるなか、クレジットコストのさらなる増加が懸念される状況。

欧米銀の決算から得られるわが国金融機関経営や金融システム安定に向けた示唆は以下の通り。
①経済・金融環境の急変に対するレジリエンス強化のためにも事業ポートフォリオの多様化が重要に。
②高金利局面で金融不安が急速に高まるなか、顕在化しつつある金融リスクに細心の注意を。
③国内における金融政策見直しを見据え、「金利のある環境」への攻守両面での備えが必要に。


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