経済・政策レポート
中国では、地方財政の悪化が続いています。2022年には全ての省の財政収支が赤字に転落したと見込まれるなか、地方債の返済ピークを迎えています。地方政府傘下のインフラ投資会社では、債務残高がGDPの50％以上の規模に膨らんだと推定されており、中央政府のお墨付けで国有銀行など金融機関に返済の繰り延べで生き残りを図らざるを得なくなったケースが早くも表れています。
今年の中国経済は、経済活動の寸断をもたらしたゼロコロナ政策の解消で一息ついた状態ですが、景気回復をどれだけ果たせるかというよりも、財政危機、そしてそれに触発される金融危機を回避できるかが大きなポイントになりそうです。
日本総合研究所調査部メールマガジン2023年1月13日
- 経済・政策レポート