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リサーチ・アイ No.2022-078

韓国・台湾の輸出不振、半導体と中国への依存が主因 ― 米国による対中規制の強化も一因 ―

2023年02月10日 立石宗一郎


韓国と台湾の輸出はともに昨年前半をピークに減少基調。1月の実質輸出は韓台合計で前年比▲8%。なかでも、輸出の約2割を占める中国・香港向け機械類・輸送機器の不振が顕著。この背景として、①巣ごもり消費の終息によるハイテク需要の減少で半導体市場が悪化していること、②米国による対中規制の影響で中国経済が停滞したことが指摘可能。今後も、以下の通り、こうした要因が輸出を下押しする見通し。

半導体市場は昨年から在庫調整局面入り。先端半導体やメモリー半導体を主に製造する韓国と台湾は、パソコンやスマートフォン向け需要の急減により在庫が急増。なかでも、台湾では、半導体が不足していた2020年頃に、生産能力を大きく増強したことから、出荷に比べて在庫が大幅に増加。在庫調整は少なくとも2023年半ばまで続く見込み。

米国による半導体の対中輸出規制の強化も影響。米国の技術を使用した先端半導体や関連技術の中国企業への輸出が原則禁止に。この影響で中国の半導体・同関連輸入は減少。韓国・台湾でも、先端半導体の製造に米国由来の技術を活用しているとみられ、中国向け輸出が減少。規制は強化される傾向にあり、半導体輸出は当面伸び悩む公算大。

半導体以外の財についても、中国向け輸出は顕著な回復が見込めず。中国のゼロコロナ政策が解除されたものの、リバウンド需要はサービスが中心となる見込み。かねてよりオンライン消費が活発であったことから、財の需要増加は期待薄。中国政府による渡航制限が続き、韓国・台湾では中国からのインバウンド需要も見込めず、景気の低迷が続く恐れ。

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