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リサーチ・フォーカス No.2022-053

中小企業のDX 支援策のあり方 ― 機会の平等性、効率性、実効性の強化に向けて ―

2023年01月16日 森口善正


中小企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)に対する取り組みはコロナ禍のもとで進みつつあるものの、DX の本質であるビジネスモデルの変革や競争力強化に取り組む中小企業は依然として少ない。今後、危機対策として大幅に拡張された財政・金融支援の縮小が不可避ななか、中小企業経営の改革に大きく貢献し得るDX の推進は、わが国経済にとって極めて重要な課題といえる。

政府等による中小企業のDX 支援策はメニューとしては充実してきた。しかし、DX をより幅広い中小企業において効率的かつ実効的に推進していくためには、①機会の平等性、②効率性、③実効性の観点から、DX の支援体制や支援策の一層の拡充を図っていく必要がある。
機会の平等性:支援機関のDX 支援能力には限界があるため、DX 支援の地域コミュニティを少なくとも都道府県単位で形成し、より広域的なプラットフォームや全国プラットフォームが補完することで、全国の中小企業が広く一定水準以上のDX 関連情報やDX 支援、DX 推進人材育成支援にアクセスできるようにする。
効率性:政府は大手IT 企業と提携するなどして、DX ツールやデジタル/DXスキルの学習コンテンツをポータルサイトに集約し、全国の中小企業が幅広く活用できる体制を整える。
実効性:DX に対する経営者意識・理解の重要性を踏まえて、経営者向けにDX を含む包括的で体系的なオンラインベースの教育を実施する。また、専門家派遣を拡充し、その幅広い周知を図る。

中小企業のDX 推進人材の育成にあたっては、政府が進めるデジタル人材の育成と相互に調整・補完し合いながら効率的かつ継続的に進めていく必要がある。そのためにも関係省庁や関係機関の広域的な連携体制の構築が求められる。

デジタル変革の波は、中小企業支援機関のあり方にも課題を投げかけている。今後は、支援機関自身のDX および支援業務の都道府県単位での一体的運営等を通じて、業務を効率化するとともに、中小企業に対する支援能力の一層の拡充を進めていくべきであろう。

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