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リサーチ・アイ No.2022-064

2023年の欧州の金融リスクについて注意すべきポイント ~ ECBは信用リスクの増大と銀行の資金調達リスクを警戒 ~

2022年12月19日 谷口栄治


欧州中央銀行(ECB)は、2023~25年の金融監督上の優先事項として、①ショックに対するレジリエンス強化、②デジタル化への対応、③気候変動対策、の3点を提示。とりわけ、①については、信用コストの増大と銀行の資金調達リスクを短期的な課題として指摘。

信用リスクについては、エネルギー関連企業やエネルギー消費の多いセクター(農業、運輸等)、不動産関連ローンの脆弱性を警戒。欧州銀の不良債権引当率(貸倒引当金/不良債権額)は低下基調にあるなかで、現状の経済想定が崩れた場合、信用コストが急増するリスクあり。

調達リスクでは、コロナ禍にECBが実施した貸出条件付き長期流動性供給オペ(TLTRO3)の返済が課題に。本年11月、金融政策正常化の一環として既往TLTRO3の借入金利が引き上げられたほか、2023年には多額の返済期限が到来。債券発行による借換を含め、資金調達手段の多様化が求められる一方、利上げが続けば、資金調達コストは急増。

2023年の経済見通しは、ユーロ圏でとりわけ厳しい経済情勢が見込まれるほか、ウクライナ危機の緊迫化や、それを受けたエネルギー不足、高インフレ長期化など、下押しリスクも山積。景気後退が深刻化すれば、信用不安の高まりや金融機能の低下に結びつき、さらなる景気悪化につながるリスクに注意する必要あり。


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