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リサーチ・アイ No.2022-027

中国景気の重石となる不動産市場悪化と資金流出 ― 財政・金融政策の発動余地は小 ―

2022年07月25日 野木森稔佐野淳也


中国経済は、厳しい活動規制が緩和されたことから、持ち直しの動き。しかし、ゼロコロナ政策は維持され、再び経済活動が停滞するリスク大。これに加えて、以下の点も景気の重石となる可能性。

第1に、不動産市場の急速な悪化。6月の住宅着工床面積は前年同月比▲44.9%の大幅減。特に、二級以下の都市では、住宅価格が下落に転じており、一級都市に比べ需給が悪化。資金繰り悪化を背景に不動産開発業者が住宅建設を途中で中止するといった事例も多発。

第2に、インフラ投資の財源不足。インフラ投資を実行する地方政府の主要財源は土地販売収入。これが不動産市場の低迷で大幅に減少。足元は政策銀行の貸出枠拡大などの措置がインフラ投資を支えているが、土地販売収入の減少をカバーしきれず。報道によれば、政府はインフラ基金設置や地方特別債の発行前倒しを検討しているが、これら政策は土地販売収入(2021年:8.7兆元)の減少と同程度の規模にとどまる見込み。

第3に、金融緩和余地の乏しさ。米国の利上げの加速により資本流出懸念が高まっており、元安が進行。大規模な資金流出と通貨下落を避けたい中国当局にとって、追加的金融緩和は難しい情勢。7月13日には人民銀行の高官が、国内銀行間市場の流動性は十分あるとし、追加利下げの可能性は低いことを示唆。


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