コンサルティングサービス
経営コラム
経済・政策レポート
会社情報

経済・政策レポート

リサーチ・アイ No.2022-026

進展する新興国の金融包摂と新たな金融エコシステムの形成

2022年07月14日 谷口栄治


世界銀行が2022年6月に公表した「Global Findex Database 2021」によれば、2021年時点の金融取引口座(銀行口座、モバイルマネー口座)の保有率は、世界全体で76%と、2011年の51%から大きく伸長。とりわけ、新興国では42%から71%になるなど、伸びを牽引。

2014~2017年の新興国における金融取引口座保有者の増加は、中国とインドに集中していた一方、2017~21年ではその他の新興国(中所得国)で大きく増加するなど、金融包摂(フィナンシャルインクルージョン)の流れはグローバルベースに波及。世界銀行は、コロナ禍で、新興国において電子決済の利用が進展したことも背景にあると指摘。

今回の調査で注目すべきは、新興国や途上国において、先進国と異なる金融エコシステムが形成されていることが明確になった点。例えば、低所得国ではモバイルマネー口座(携帯電話等を用いて入出金等を行うサービス)の保有率が高く、同口座を介して給与の受け取りや貯蓄、借入等の金融取引を行う傾向にあるなど、銀行口座を代替している状況。

今後、低所得国での金融包摂の進展に伴い、モバイルマネー口座を中心とする金融システムの規制・監督のあり方が各国の金融当局にとって重要なイシューに。一方、中・高所得国では、すでに普及している銀行口座を通じた金融取引が大宗。わが国における給与のデジタル支払いに関する検討等においても、こうした国際的潮流を念頭に政策効果等を検証する必要あり。


(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)
経済・政策レポート
経済・政策レポート一覧

テーマ別

経済分析・政策提言

景気・相場展望

論文

スペシャルコラム

YouTube

調査部X(旧Twitter)

経済・政策情報
メールマガジン

レポートに関する
お問い合わせ